雲路(読み)クモジ

デジタル大辞泉 「雲路」の意味・読み・例文・類語

くも‐じ〔‐ぢ〕【雲路】

月や鳥などが通るとされる雲の中の道。雲居路くもいじ
「いづかたの―に我もまよひなむ」〈須磨

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精選版 日本国語大辞典 「雲路」の意味・読み・例文・類語

くも‐じ ‥ぢ【雲路】

〘名〙
① 鳥、月などが通るとされる空の中のみち。雲の中の路。雲居路(くもいじ)
書紀(720)神武即位前(北野本訓)「是に、火の瓊瓊杵尊、天関(あまのいはくら)を闢(ひきひらき)て、雲路(クモチ)を披(おしわ)け、仙蹕(みさきはらひ)(をひ)戻止(いたりま)す」
② はるか遠い道のり。
※金刀比羅本保元(1220頃か)下「昔は胡塞万里の雲路(クモヂ)に鏡の影をかこちわび」
③ 雲のゆくえ。

うん‐ろ【雲路】

〘名〙
① 雲がたなびいている山路。雲の行き来する道。また、鳥などが飛ぶ空の路。
※凌雲集(814)留別故人〈賀陽豊年〉「雲路別魂銷。唯有天月」 〔沈約‐遊沈道士館詩〕
官職について出世することのたとえ。
本朝文粋(1060頃)六・申民部大輔状〈橘直幹〉「望後進之歓華、眼疲雲路」 〔鮑照‐侍郎報満辞閤疏〕

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普及版 字通 「雲路」の読み・字形・画数・意味

【雲路】うんろ

雲の流れる高所。出世。唐・寒山寒山詩、二五四〕時人、雲路をぬれば 雲路、杳として蹤(あと)無し~雲路の處を知らんと欲せば 雲路はに在り

字通「雲」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の雲路の言及

【殿上の間】より

…また末の柱から校書殿(きようしよでん)の後に綱を張り鈴をつけ,蔵人が小舎人(ことねり)を呼ぶときに鳴らした。侍,侍所,殿上侍,上侍,雲上,雲路等の別称がある。また院の御所にも殿上の間があった。…

※「雲路」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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