雲上(読み)うんじょう

精選版 日本国語大辞典 「雲上」の意味・読み・例文・類語

うん‐じょう ‥ジャウ【雲上】

〘名〙 (古くは「うんしょう」)
① 雲の上。雲のある、空の高い所。
海道記(1223頃)池田より菊川「雲上の月の前には、玉の冠、光を交へ」
② 転じて、一般からかけ離れた高貴な所。
(イ) 天皇や公家など、高貴な人々のいる所。宮中禁裏
※凌雲集(814)三月三日侍宴〈賀陽豊年〉「露晞心已粛、雲上慶還申」
※謡曲・葵上(1435頃)「雲上の花の宴、春の朝の御遊に慣れ」
(ロ) 身分地位などが一般とかけ離れた所。
学問のすゝめ(1872‐76)〈福沢諭吉〉五「政府は雲上に在て国を司り」
③ (①から転じて) 歌舞伎鳴り物を派手に調子高く奏すること。多く、はなやかな人物の登場の先触れとして演奏される。
※歌舞伎・四天王産湯玉川(1818)二番目「この鳴り物、だんだんと雲上(ウンジャウ)になり」
④ (形動) 物事の様子や人の態度などが偉そうなこと。また、優雅に感じられること。また、そのさま。
浮世草子傾城禁短気(1711)三「人がかろしむると心得て雲上(ウンシャウ)に斗(ばかり)かまへ」

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デジタル大辞泉 「雲上」の意味・読み・例文・類語

うん‐じょう〔‐ジヤウ〕【雲上】

《古くは「うんしょう」》
[名]
雲の上。
一般から離れた所。特に、宮中。
「急ぎ大しうを―へ召され」〈伽・七草草紙
[形動ナリ]ようすや態度が高貴なように見えるさま。また、偉そうな感じを与えるさま。
「人がかろしむると心得て―にばかり構へ」〈浮・禁短気・三〉
[類語]2皇居御所宮城宮中内裏王宮宮殿宮廷離宮禁中禁裏畏き辺り王城大内山雲の上九重ここのえ行宮あんぐう

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デジタル大辞泉プラス 「雲上」の解説

雲上

神奈川県小田原市名物特産の小田原十郎梅の中でも直径42mm以上の大粒のものを塩だけで漬けた梅干し

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世界大百科事典(旧版)内の雲上の言及

【殿上の間】より

…また末の柱から校書殿(きようしよでん)の後に綱を張り鈴をつけ,蔵人が小舎人(ことねり)を呼ぶときに鳴らした。侍,侍所,殿上侍,上侍,雲上,雲路等の別称がある。また院の御所にも殿上の間があった。…

※「雲上」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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