難船(読み)なんせん

精選版 日本国語大辞典 「難船」の意味・読み・例文・類語

なん‐せん【難船】

〘名〙 船が荒天などで破損覆没または座礁すること。また、その船。積荷を捨てたり、船体道具一部を損じたりした場合をいい、全く破壊した場合は破船、覆没した場合は沈船として区別することが多い。難舟。
財政経済史料‐一・財政・輸米・港湾規定・天明二年(1782)十月日「日和をも不見定出帆致し候故、度度難船・破船等有之哉」

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デジタル大辞泉 「難船」の意味・読み・例文・類語

なん‐せん【難船】

[名](スル)風波などのため、船が破損・転覆または座礁すること。また、その船。難破船。「暴風雨に遭い難船する」「難船救助」
[類語]難破座礁

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普及版 字通 「難船」の読み・字形・画数・意味

【難船】なんせん

難破。

字通「難」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の難船の言及

【海難】より

…一方,海難によって生じた財産上の損害を塡補(てんぽ)するために海上保険の制度があるが,その源流はギリシア・ローマ時代にまでさかのぼり,各種の現代的保険の母体をなすとされている。【佐藤 幸夫】
[江戸時代の海難]
 江戸時代の海難を当時の用語に従って挙げれば,破船(難破),難船(難航して船体・積荷に被害があること),膠船(座礁),水船(浸水),沈船(沈没),当逢(あたりあい)(衝突),打揚げ,行方不明等である。このほか広義には,敵艦船の攻撃・拿捕(だほ),沿岸民の占取・略奪,海賊・盗賊の襲撃・強奪,失火・自然発火による火災,不法行為による打荷(うちに)・窃盗等が含まれる。…

【漂流】より

…また漂流物により海流の状況が明らかになることもある。昔から難船漂流の悲劇は洋の東西を問わずきわめて多い。漂流には学術上の目的で行ったものと,海難事故によるものがあり,前者では1947年T.ヘイエルダールが人類学上の自説を立証するため,〈コン・ティキ号〉と名づけたいかだで太平洋横断を決行した例(《コン・ティキ号探検記》),52年アラン・ボンバールが海の魚とプランクトンだけを食べ,海水と雨水で渇きをしのぎ,単身〈異端者号〉と名づけたゴムボートで大西洋横断漂流に成功した例(《実験漂流記》),日本では数次の漂流実験後,75年斎藤実が〈ヘノカッパII世号〉でサイパン島から沖縄に向かって漂流実験した例(〈漂流実験〉)などが著名である。…

※「難船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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