普及版 字通 「難(漢字)」の読み・字形・画数・意味
難
常用漢字 18画
(旧字)
人名用漢字 19画
[字訓] なやむ・なじる・かたし・むつかしい
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
旧字はに作り、(かん)+隹(すい)。〔説文〕四下に「鳥なり」とし、声とする。鳥名としては、王紹蘭の〔説文段注訂補〕に、南越の木難また難にして金翅鳥、その本名を難というとするが、字はもっぽら難易の意に用いる。は金文の字形によると矢(かぶらや)の形と火に従っており、火矢の形かとみられ、火矢を以て隹(鳥)をとる法を示す字かと思われる。儺(だ)(鬼やらい)の儀礼と関係があり、鳥占(とりうら)に関して、呪的な目的で行われたものであろう。それでなやむ意から、困難の意となった。金文の〔斉大宰盤(せいたいさいばん)〕に「靈命老いからんことを」のように用いる。
[訓義]
1. なやむ、なやます、わずらい、うれえ、くるしみ。
2. せめる、とがめる、なじる。
3. かたい、むつかしい、なしがたい、こばむ、はばむ、はばかる。
4. 儺と通じ、おにやらい。
5. 阿難(あだ)。草がわかわかしい、茂る、美しい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 カタシ・クルシブ・ハヂ・ナヤム・モユ・ウヂハヤシ・ハバカル・ウレフ・ウム・ムチハヤク・タシナム 〔立〕 カタシ・ハバカル・ナヤム・ツツシム・ナヅム・ハバカリ・ソシル
[声系]
〔説文〕に声として・儺・など五字を収める。は(だん)と通用の字。儺・はの声義を承け、その呪儀に関する字であろう。
[熟語]
難易▶・難謂▶・難解▶・難関▶・難艱▶・難顔▶・難期▶・難義▶・難疑▶・難儀▶・難詰▶・難局▶・難極▶・難句▶・難月▶・難険▶・難行▶・難航▶・難字▶・難事▶・難処▶・難所▶・難勝▶・難色▶・難船▶・難阻▶・難題▶・難治▶・難得▶・難駁▶・難物▶・難弁▶・難保▶・難民▶・難問▶・難路▶・難老▶
[下接語]
阿難・畏難・火難・家難・禍難・解難・外難・扞難・患難・戡難・艱難・危難・奇難・詰難・急難・救難・凶難・苦難・遇難・剣難・嶮難・蹇難・行難・攻難・後難・克難・国難・困難・災難・済難・作難・至難・七難・受難・恤難・殉難・女難・小難・攘難・水難・綏難・世難・説難・責難・阻難・遭難・賊難・多難・大難・脱難・黜難・屯難・定難・敵難・殄難・難・盗難・内難・万難・批難・非難・避難・赴難・無難・兵難・弁難・法難・免難・問難・厄難・憂難・厭難・罹難・臨難・論難
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報