離俗(読み)リゾク

デジタル大辞泉 「離俗」の意味・読み・例文・類語

り‐ぞく【離俗】

[名](スル)世俗を離れること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「離俗」の意味・読み・例文・類語

り‐ぞく【離俗】

〘名〙 俗事を離れること。俚俗を離れること。
正法眼蔵(1231‐53)谿声山色「たまたま出家児となり、離俗せるににたるも、仏道をもて名利のかけはしとするのみおほし」 〔韓非子‐有度〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「離俗」の意味・わかりやすい解説

離俗 (りぞく)

俳諧用語。蕪村は門弟召波の《春泥句集》(1777)に寄せた序文の中で,〈俳諧は俗語を用ひて俗を離るるを尚ぶ。俗を離れて俗を用ゆ。離俗の法最もかたし〉としるしている。俳諧に用いられる言葉は,ことさらにあらたまった雅語のようなものではなく,だれもが日常に使う平易な俗語でなければならず,しかも俗から離れなければならないという。これは蕪村の俳諧の基本的な態度,方法をあらわすものである。俗と離俗と同時におこなおうとすることは,芭蕉の〈高く悟りて俗に帰るべし〉につながるものであろうが,蕪村の場合,俗に〈帰る〉よりも,俗から〈離れる〉ことが強調されている。俗を離れる近道として,漢詩について語ることをすすめるが,それは画家における俗気をはらうために書物を多く読めという〈去俗論〉がヒントになっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「離俗」の読み・字形・画数・意味

【離俗】りぞく

俗世を離れる。〔淮南子、人間訓〕單、世に倍(そむ)き俗を離れ、巖に居り谷に飮む。

字通「離」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の離俗の言及

【召波】より

…そのころ俳諧は余技として親しんでいたようだが,1766年(明和3)に蕪村が三菓社を結成したときそれに参加して,以後俳諧に熱中するようになり,めきめき頭角をあらわした。去来,嵐雪,其角,素堂らの作風を慕い,支考,麦林(乙由)らの俗調を排して蕪村に心酔し,離俗の生活を喜んだ。蕪村は召波のことを後に〈京師にはめづらしき俳者にて〉と激賞している。…

※「離俗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android