雑役(読み)ぞうやく

精選版 日本国語大辞典 「雑役」の意味・読み・例文・類語

ぞう‐やく ザフ‥【雑役】

〘名〙
雑用。また、雑用をする者。
※三代格‐六・大同三年(808)二月五日「停事力、支用雑役
源氏(1001‐14頃)行幸「下臈、童べなどの仕うまつりたらぬざうやくをも、たち走りやすく、惑ひ歩きつつ」
② 種々の労役。また特に、中世荘園領主在地領主支配下農民を使役したいろいろな夫役(ぶやく)をもいう。
※観智院本三宝絵(984)中「外国より来れる人あれば其の名をたづね注して雑役におほせてかりつかひ」
③ こまごまとした仕事。ちょっとした手入れ仕事。
※俳諧・父の終焉日記(1801)享和元年五月一一日「畠のざうやくなりとて、人々は皆、鎌提、塊槌もて門を出れば」
※詞林三知抄(1532‐55頃)上「駒情 こまのみやび ざうやくをこふる也」

ざつ‐えき【雑役】

〘名〙
軍隊で、種々の雑務に従事すること。〔五国対照兵語字書(1881)〕
会社工場などで、中心的な業務以外の、内容は特に一定しないいろいろな仕事。
真理の春(1930)〈細田民樹たこ「直接何部何課に属さない、〈略〉まづ体裁のいい雑役(ザツエキ)であり」

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デジタル大辞泉 「雑役」の意味・読み・例文・類語

ざつ‐えき【雑役】

主な業務以外の種々雑多な仕事。
[類語]実務事務業務雑務要務特務激務急務庶務総務労務公務校務学務教務会務社務商務宗務乗務

ぞう‐やく〔ザフ‐〕【雑役】

雑用。また、雑用をする人。
「男ども、―にとて参らす」〈竹河
種々の労役。
「―におほせて駆りつかひ」〈三宝絵・中〉

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普及版 字通 「雑役」の読み・字形・画数・意味

【雑役】ざつえき

諸役

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