雁首(読み)がんくび

精選版 日本国語大辞典 「雁首」の意味・読み・例文・類語

がん‐くび【雁首】

〘名〙
① (もとのものは、長くうねって雁(がん)の首に似ているところから) キセルの、タバコをつめる部分
※俳諧・犬子集(1633)四「棹になりてわたるがんくびはきせる哉〈貞徳〉」
竪樋(たてどい)の落とし口などに用いる、キセルの頭の形をした土管。雁首管。
③ 俗に、人の首、頭をいう。
滑稽本・古朽木(1780)一「煙管屋(キセルや)亭主無心いへば、鴈首(ガンクビ)をふって脂(やに)っこい挨拶

かり‐くび【雁首】

〘名〙 (雁の首の意から) 形が雁の首に似るもの。また、特に陰茎の頭。亀頭。雁(かり)
浮世草子好色一代男(1682)八「末定めなき作蔵なれば、かり(クビ)に珠数を懸けさせ」

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デジタル大辞泉 「雁首」の意味・読み・例文・類語

がん‐くび【×雁首】

《形が雁の首に似ているところから》
キセルの頭部先端にタバコを詰める火皿がある。
縦樋たてどいの落ち口などに用いる先の曲がった土管。
人間の首や頭をいう俗語。「雁首をそろえる」「雁首を並べる」
[類語]あたまかしらこうべつむりかぶりおつむヘッド頭部

かり‐くび【×雁首】

雁の首。それに似た形のもの。特に、陰茎の先端部。亀頭きとう
「―に数珠じゅずを懸けさせ」〈浮・一代男・八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の雁首の言及

【きせる(煙管)】より

…日本では〈喜世留〉もしくは〈希施婁〉という漢字をあてていたが,現在は一般に〈煙管〉の字があてられる。通常,タバコをつめる口(火皿)のついた雁首(がんくび)すなわち火皿の湾曲している部分と,羅宇(らう)すなわち雁首と吸口との中間の管と,吸口との3部分から成る。こうした構成をしめすドライ・スモーキング(乾式喫煙)のための簡便な喫煙具である〈きせる〉の主要分布は日本,中国,朝鮮にわたっている。…

※「雁首」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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