百科事典マイペディア 「雀部荘」の意味・わかりやすい解説
雀部荘【ささきべのしょう】
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丹波国天田郡(現,京都府福知山市上佐々木,下佐々木)にあった荘園。《和名抄》にみえる雀部郷の一部である。松尾社前神主相頼の父頼親が流失田25町を開発し,さらに便宜の田畠を相博して加え松尾社領荘園として立荘したことが,1197年(建久8)の相頼譲状と翌年の後鳥羽院庁下文にみえる。本家は松尾社で年貢を神用にあてていたが,領主職は頼親の譲をうけた相頼の子孫(秦(はた)氏)が相伝したようである。鎌倉時代に地頭や地頭代の狼藉があったが幕府の安堵をうけ,南北朝の争乱にさいしても濫妨狼藉がみられたが,室町幕府や朝廷によりその領有が保障されている。しかし戦国時代に入ると,名主百姓等が松尾社の命に従わなくなり,1504年(永正1)ごろには有名無実になってしまったという。これに対し幕府は,1507年雀部惣荘を松尾社の直務として神用をまっとうするよう命じたが,その効果は明らかでない。
→松尾(まつのお)大社
執筆者:泉谷 康夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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