際墨(読み)キワズミ

デジタル大辞泉 「際墨」の意味・読み・例文・類語

きわ‐ずみ〔きは‐〕【際墨】

額の形を美しくみせるために、髪の生え際を墨で縁どること。置き墨。
「額はただ丸く、―こく」〈浮・一代男・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「際墨」の意味・読み・例文・類語

きわ‐ずみ きは‥【際墨】

〘名〙 髪のはえぎわを墨で化粧すること。また、その墨。置墨
※俳諧・独吟一日千句(1675)第五「際墨に霧や眉山晴ぬらん おしろいをとく谷のしたたり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の際墨の言及

【ひたい(額)】より

… 井原西鶴《好色一代女》で,女が化粧の際,硯(すずり)の墨で額の際を染めているように,江戸時代の女性は額の形容にも心を配った。生れつきのままで良いのもあるが,額のなりが悪いと愛嬌がないから髪の生え際を剃れと《女鏡秘伝書》にあるように,額を剃ったり生え際に際墨(きわずみ)を薄くぬって形を整えた。奥田松柏軒編《女用訓蒙図彙(おんなようきんもうずい)》に言うように,生まれつき額は10人中8,9人は左に歪みがあると当時信じられ,髪際点と鼻すじを結ぶ線を対称軸として左から墨をいれたり,もみあげをそろえたりした。…

※「際墨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android