隅扇垂木(読み)すみおうぎたるき

世界大百科事典(旧版)内の隅扇垂木の言及

【社寺建築構造】より

…なお,奈良・平安時代には桁も円形または楕円形につくられている。 垂木の並べ方には,平行に並べるもの(和様),放射状に並べる扇(おうぎ)垂木(禅宗様),隅だけ扇垂木にする隅扇垂木(大仏様)がある。和様では,桁から外側の隅の部分の垂木は,桁にはのらず,隅木(すみぎ)と木負,茅負の間にかけられ,この垂木を配付(はいつけ)垂木と呼ぶ。…

【浄土寺】より

…【石田 善人】 浄土堂(国宝)は不断念仏を唱える別所の中心的建物で,現存する唯一の別所遺構。正面3間,側面3間の一重仏堂であるが,平面では各柱間が6mと広く,軸部は柱の中ほどから幾段にも肘木(ひじき)を差した独特の組物を構成し,軒隅のみ放射状にした隅扇垂木で軒反りのない宝形造本瓦葺き屋根をうける。開口部は桟唐戸(さんからと)をつり,貫や肘木鼻には特色ある繰形を用いる。…

【軒】より

…木造建築では柱通りあるいはそこから持ち出して軒桁を通し,垂木(たるき)を斜めに架けて構成されており,柱や壁を風雨からまもる重要な役割を果たす。日本建築の軒は地(じ)垂木だけの一軒(ひとのき),地垂木と飛檐(ひえん)垂木からなる二軒(ふたのき)のほか,まれに飛檐垂木を二重に設けた三軒(みのき)があり,さらに垂木の打ち方によって平行である繁(しげ)垂木と疎(まばら)垂木,ほぼ放射状となる扇垂木,隅だけ放射状の隅扇垂木,それに垂木を打たない板だけの板軒などに分かれる。したがって,二軒繁垂木,一軒板軒というように表示する。…

※「隅扇垂木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」