陶(漢字)

普及版 字通 「陶(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] トウタウ)・ヨウ(エウ)
[字訓] すえもの・やきもの・やしなう・うれえる

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(とう)。は窯の中に缶(ふ)(ほとぎ)をおいて焼く形。〔説文〕十四下に「再の丘なり」とし、〔釈名、釈丘〕に「陶(たうさう)の如く然るなり」というが、その上り窯の形がである。〔礼記、郊特牲〕「に陶匏(たうはう)を用ふ」とあって、天帝を祀る郊祭には素焼きのものを用いた。そのような祭器を焼く窯は、聖所に近く設けられるので、神梯の象である(ふ)に従って、陶に作る。帝尭陶唐氏の堯(尭)は、素焼きの器を積みあげた形。これに火を加えて焼成するを燒(焼)という。陶・堯は関連のある名である。

[訓義]
1. すえ、すえもの、やきもの。
2. すえものを作る、その人。
3. 形を作る、形をととのえる、おしえる、教化する。
4. ただす、やしなう。
5. 窯に通じ、かまど
6. 鬱陶(うつとう)は、うれえる、心ふさぐ、心にこもる。
7. 外にあらわれる、のびる、よろこぶ、たのしむ、やわらぐ。

[古辞書の訓]
名義抄〕陶 スヱモノ・ツクル・スヱ・ウレフ・ヨロコブ・フカシ・ミガク・トラカス

[語系]
陶・dujiu、窯(窰)jiは声義近く、瓦器。陶の初文(よう)は瓦器、窯は陶竈。みな一系の語である。

[熟語]
陶育陶鬱陶泓・陶・陶化陶瓦・陶器陶漁陶鈞・陶均・陶穴・陶陶硯陶工陶兀・陶室・陶者陶蒸・陶人陶酔・陶成陶染・陶・陶然陶誕陶鋳陶暢・陶土陶陶陶冶陶練陶錬
[下接語]
鬱陶・鈞陶・薫陶・陶・古陶・作陶・陶・坏陶・復陶

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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