陥落(読み)かんらく

精選版 日本国語大辞典 「陥落」の意味・読み・例文・類語

かん‐らく【陥落】

〘名〙
① 穴などに落ち込むこと。
※行人(1912‐13)〈夏目漱石塵労谷底へ陥落(カンラク)したやうな低い町にあります」
地面などが落ちくぼむこと。陥没
※不如帰(1898‐99)〈徳富蘆花〉上「タスカローラの陥落(カンラク)三陸海嘯(かいせう)見舞ひ」
③ 城や要塞などが敵に攻め落とされること。
※一年有半(1901)〈中江兆民〉附録「幸に天津北京速に帰附陥落し」
④ 口説(くど)きおとされること。
※それから(1909)〈夏目漱石〉八「寺尾ももう陥落(カンラク)するだらうと云ふ」
地位などがさがること。
⑥ 欠けていること。欠落していること。
春潮(1903)〈田山花袋〉一「自分性質一部陥落して居るばかりに」

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デジタル大辞泉 「陥落」の意味・読み・例文・類語

かん‐らく【陥落】

[名](スル)
落ち込むこと。陥没。「地盤陥落する」
攻め落とされること。「首都陥落する」
地位や順位が下がること。「最下位陥落する」
口説き落とされること。「熱意に負けて陥落する」
欠けていること。欠落していること。
「自分の性質の一部―しているばかりに」〈花袋・春潮〉
[類語](2落城敗走潰走帰服帰順屈従服従忍従降伏降参投降負けるギブアップかぶとを脱ぐシャッポを脱ぐ敗れる敗戦負け戦敗北敗退完敗惨敗大敗惜敗やられる土がつく一敗地にまみれる屈するふくする屈服ひざを屈するひざをかがめる軍門に降る/(5脱落落伍落第ドロップアウト

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「陥落」の読み・字形・画数・意味

【陥落】かんらく

落城する。

字通「陥」の項目を見る

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