除夜(読み)じょや

精選版 日本国語大辞典 「除夜」の意味・読み・例文・類語

じょ‐や ヂョ‥【除夜】

〘名〙 おおみそかの夜。一年最後の晩。除夕(じょせき)。《季・冬》
経国集(827)一三・除夜〈嵯峨天皇〉「欲眠不眠坐除夜、雲天此夜秀芳春」 〔俳諧・増山の井(1663)〕 〔杜審言‐守歳侍宴応制詩〕

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デジタル大辞泉 「除夜」の意味・読み・例文・類語

じょ‐や〔ヂヨ‐〕【除夜】

除日じょじつの夜の意》1年の最後の夜。大晦日おおみそかの夜。除夕じょせき 冬》「―の妻白鳥のごと湯浴みをり/澄雄」
[類語]大みそか大つごもり年末歳末暮れ年の暮れ年の瀬歳暮節季年内歳晩

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改訂新版 世界大百科事典 「除夜」の意味・わかりやすい解説

除夜 (じょや)

大晦日の夜。年の夜,大年,年越しなどともいう。神社では大祓(おおはらえ)といって人形(ひとがた)に託して罪穢を流し,寺院では百八煩悩の鐘をつき鳴らす。除夜の鐘は午前零時の前後につかれ,ここに年の境のあることが一般に認められているが,一日の境を日没時とする日本の古い考えでは,除夜はすでに新年に属し,来臨する年神をまつる神聖な夜であった。このため神社では篝火が焚かれ参籠が行われるが,一般家庭でも,かつては年神の前で家族揃って正式の食膳を囲んだあと,いろり大火を焚いて終夜起きているべきとしていた所が多い。この夜の火に特別な意味を認め,用いる大きなまき節榾(せちほだ),世継榾(よつきほだ)などといって家の火を継承していこうとしたり,京都八坂神社の白朮祭(おけらまつり)に参る人々のように,この夜新たに清い火を点じようとする考えがあった。
年越し
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百科事典マイペディア 「除夜」の意味・わかりやすい解説

除夜【じょや】

大晦日(おおみそか)の夜。年取り,年越しとも。神社では大祓(おおはらえ)の神事が行われ,寺院では108の除夜の鐘を鳴らして煩悩解脱(ぼんのうげだつ)を祈る。年籠(としごもり)と称して神社に籠りこの夜を過ごした習慣は,元日未明に神社にお参りする習俗の中に残っている。またこの夜新たに清い火をつくり,新年の火とする習わし各地にあり,京都八坂神社のおけら参りもその例。
→関連項目大晦日

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普及版 字通 「除夜」の読み・字形・画数・意味

【除夜】じよ(ぢよ)や

大みそか。また、節分前夜。唐・王建〔宮詞、一百首、八十九〕詩 金吾、除夜に儺名(だめい)をむ 畫袴(ぐわこ)朱衣、四行く

字通「除」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「除夜」の意味・わかりやすい解説

除夜
じょや

大みそか

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世界大百科事典(旧版)内の除夜の言及

【追儺】より

…【伊藤 唯真】
[中国]
 儺(だ),大儺とも呼ぶ。古代では季節ごとに行われたが,漢代以降12月中に1度行われ,唐・宋時代,除夜の行事となった。庶民の間でも行われたが,宮中の追儺はとくに盛大である。…

※「除夜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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