デジタル大辞泉
「陣」の意味・読み・例文・類語
しきり【▽陣】
《動詞「しき(頻)る」の連用形から》出産間際に起こる痛み。陣痛。
「―は来れども取りあげばばの約束もなく」〈浮・置土産・三〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
じん ヂン【陣】
〘名〙
① 兵士を配列して編制する
隊伍。陣だて。陣列。
隊列。
※
平家(13C前)七「さる程に、源平両方陣をあはす」 〔論語‐衛霊公〕
② 軍勢の駐屯する所。兵営。陣営。陣屋。
※
今昔(1120頃か)一「
波斯匿王の軍、戦ひ負て陳被破ぬ」 〔史記‐樊噲伝〕
③
朝廷の行事に、
武官が出仕して整列する所。また、武官の隊伍・行列。
※三代実録‐天安二年(858)一〇月一日「日有レ蝕之、六衛府見二直於陣一者賜二絹綿一各有レ差」
※西宮記(969頃)二「当日大臣已下、自レ陣着二議所一」
⑤ 内裏諸門の異称。例えば、建礼門は青馬陣(あおうまのじん)、朔平門は縫殿陣(ぬいどののじん)または北の陣、建春門は左衛門の陣、宣陽門は左兵衛の陣または東の陣、日華門は左近の陣ともよばれる。
※枕(10C終)三「左衛門の陣のもとに、
殿上人などあまた立ちて」
⑥ 僧たちの出入り口。
※
徒然草(1331頃)二三八「賢助僧正に友なひて、加持香水を見侍しに、いまだはてぬほどに、僧正かへりて侍しに、陣の外まで僧都みえず」
⑦ いくさ。戦い。合戦。
※平家(13C前)八「鎧に
立烏帽子で軍の陣へいでられたりけるが」 〔南史‐梁元帝紀〕
しきり【陣】
〘名〙 (動詞「しきる(頻)」の連用形の名詞化。繰り返される痛みの意から) 出産のまぎわに起こる痛み。陣痛。
※俳諧・西鶴大句数(1677)六「しきりがきてから松むしの声 送り荷や不破の関山越ぬらん」
※咄本・初音草噺大鑑(1698)一「うみ月になれば、なじみのとりあげばば来りて、さあしきりがついたとていきますれば」
じん‐・する ヂン‥【陣】
〘自サ変〙 ぢん・す 〘自サ変〙 陣をかまえる。陣地をつくる。陣取る。
※太平記(14C後)一七「勾践之在二会稽一也、陣(ヂンス)二兵天台山之北一」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の陣の言及
【出陣】より
…武士が戦場に赴くことをいう。一般に出陣にさいしては出陣式が行われた。これは戦陣作法の一つで戦闘に臨み武将以下士卒が行う士気高揚のための儀式であった。…
【先陣】より
…中世武家社会における戦時の陣営の一つ。本陣の前方に設けたことに由来し,進撃の最先端を意味した。…
※「陣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」