精選版 日本国語大辞典 「陣」の意味・読み・例文・類語
じん ヂン【陣】
〘名〙
① 兵士を配列して編制する隊伍。陣だて。陣列。隊列。
② 軍勢の駐屯する所。兵営。陣営。陣屋。
※今昔(1120頃か)一「波斯匿王の軍、戦ひ負て陳被破ぬ」 〔史記‐樊噲伝〕
③ 朝廷の行事に、武官が出仕して整列する所。また、武官の隊伍・行列。
※三代実録‐天安二年(858)一〇月一日「日有レ蝕之、六衛府見二直於陣一者賜二絹綿一各有レ差」
④ =じん(陣)の座(ざ)
※西宮記(969頃)二「当日大臣已下、自レ陣着二議所一」
※枕(10C終)三「左衛門の陣のもとに、殿上人などあまた立ちて」
⑥ 僧たちの出入り口。
※徒然草(1331頃)二三八「賢助僧正に友なひて、加持香水を見侍しに、いまだはてぬほどに、僧正かへりて侍しに、陣の外まで僧都みえず」
⑦ いくさ。戦い。合戦。
※平家(13C前)八「鎧に立烏帽子で軍の陣へいでられたりけるが」 〔南史‐梁元帝紀〕
しきり【陣】
〘名〙 (動詞「しきる(頻)」の連用形の名詞化。繰り返される痛みの意から) 出産のまぎわに起こる痛み。陣痛。
※俳諧・西鶴大句数(1677)六「しきりがきてから松むしの声 送り荷や不破の関山越ぬらん」
※咄本・初音草噺大鑑(1698)一「うみ月になれば、なじみのとりあげばば来りて、さあしきりがついたとていきますれば」
じん‐・する ヂン‥【陣】
〘自サ変〙 ぢん・す 〘自サ変〙 陣をかまえる。陣地をつくる。陣取る。
※太平記(14C後)一七「勾践之在二会稽一也、陣(ヂンス)二兵天台山之北一」
じん‐・す ヂン‥【陣】
〘自サ変〙 ⇒じんする(陣)
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