院政時代(読み)いんせいじだい

精選版 日本国語大辞典 「院政時代」の意味・読み・例文・類語

いんせい‐じだい ヰンセイ‥【院政時代】

日本史上の時代区分の一つ。白河、鳥羽、後白河上皇三代の院政が行なわれた時代の応徳三年(一〇八六)から建久三年(一一九二)までの約一〇〇年間が中心となるが、藤原氏摂関として政権を取った時代と、鎌倉幕府朝廷に優越する政権となった時代との中間の時代と考えれば、後三条天皇即位の治暦四年(一〇六八)から後鳥羽上皇の退位した承久の乱の承久三年(一二二一)までの約一五〇年間がこれに当たる。

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デジタル大辞泉 「院政時代」の意味・読み・例文・類語

いんせい‐じだい〔ヰンセイ‐〕【院政時代】

平安後期、白河鳥羽後白河3代の上皇一説に、後鳥羽上皇の代も含む)による院政が行われた時代。上皇が院宣や、院の庁下文くだしぶみを発給するなどして国政を掌握し、その実権朝廷摂関家をしのいだ。のちに武家政権と対立した。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「院政時代」の解説

院政時代
いんせいじだい

日本史の時代区分の一つ。退位した天皇朝政を主導する院政が,国政の基本形態として確立したことを指標に設定された。始期は1086年(応徳3)の白河院政開始とされるが,後三条天皇の延久新政(1068~72)を含む場合もある。終期はふつう鎌倉幕府成立とされるが,朝廷と幕府の基本関係が固まる承久の乱後の後鳥羽院政終了時(1221)とする考え方もある。荘園公領制の確立,国制での武家の地位向上などの点から,中世的秩序が確立した時代といえる。

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世界大百科事典(旧版)内の院政時代の言及

【院政】より

…そして1840年(天保11)光格上皇が没するに及び,院政は名実ともに消滅したのである。
[院政時代]
 院政の始期を厳密に特定することはむずかしく,またその終期も名目的には江戸時代末に至るが,〈院政時代〉が平安時代の一時期を指すことには異論がないであろう。ただその範囲は論者によって一様ではなく,狭くは白河・鳥羽院政期の約70年を指すが,これに院政前史ともいうべき後三条・白河朝を加え,さらに平氏政権の武家政権としての未熟さを考慮して,平氏滅亡までを含め,この1068‐1185年に及ぶ110年余を院政時代とよぶことも一般に行われている。…

※「院政時代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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