普及版 字通 「限(漢字)」の読み・字形・画数・意味
限
常用漢字 9画
[字訓] かぎり・かぎる
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
(ふ)+目+匕(ひ)。は神の陟降(ちよくこう)する神梯。目はその聖所を守る呪眼。匕はその呪眼におそれて却(しりぞ)く人の形。神聖の場所に入りがたい意を示し、ゆえに限界の意となる。〔説文〕八上に(こん)の字があり、「很(もと)るなり。匕目に從ふ。匕目はほ目相ひ匕するがごとく、相ひ下らざるなり」とし、限字条十四下に「阻(さへぎ)るなり。一に曰く、門(もんせつ)(しきみ)なり」と閾(しきみ)の意とする。字を艮(こん)声とするが、金文の〔鼎(こつてい)〕に人名としてその字がみえ、会意とみるべきである。
[訓義]
1. かぎる、はばむ、聖域をかぎる、かぎり。
2. へだてる、聖俗をへだてる、さかい、しきり。
3. 限界、はて、きわみ。
4. とめる、とじきみ。
5. さだめ、きりをさだめる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕限 カギル・カギリ・ヒトシ・クニ・キハム・キハ・サハル/無限 ソコバク
[語系]
限hen、(しきみ)khunは声近く、閾hiukもその系統の語。・閾は門闕、闕khiuatも声が近い。また、垠nginは岸。岸ngan、巖(巌)・嵒(岩)ngeamは系列語であるが、限もそのような場所を聖地としたもので、その語系とも関係があろう。
[熟語]
限域▶・限役▶・限界▶・限礙▶・限隔▶・限期▶・限級▶・限局▶・限極▶・限禁▶・限止▶・限資▶・限次▶・限制▶・限絶▶・限定▶・限田▶・限度▶・限末▶・限満▶・限列▶
[下接語]
下限・界限・涯限・期限・局限・極限・権限・刻限・際限・時限・酒限・上限・制限・程限・日限・年限・分限・北限・無限・門限・有限
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報