阿高・黒橋貝塚(読み)あだかくろばしかいづか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿高・黒橋貝塚」の意味・わかりやすい解説

阿高・黒橋貝塚
あだかくろばしかいづか

熊本県熊本市南区城南町阿高(じょうなんまちあだか)から城南町下宮地(しもみやじ)黒橋にわたって広がる縄文時代の貝塚遺跡。阿高貝塚は熊本平野南縁の台地上を中心に東西50メートル、南北120メートルの広がりをもつが、浜戸(はまど)川の対岸にある黒橋貝塚と連続していることから、現在では両者をあわせた名称でよぶ。貝塚は下層マガキイワシの骨、上層ヤマトシジミウナギの骨が多く、付近の水域の変化を示す。貝層中からは埋葬人骨が50体以上発見されている。太い凹線による曲線文をもつ深鉢(ふかばち)形土器は阿高式とよばれ、九州の縄文中期を代表する。実年代は約4500年前。国指定史跡。

春成秀爾

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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