出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
能の曲名。四番目物。作者不明。河上神主作ともいう。シテは漁夫の霊。旅の僧(ワキ)が伊勢の阿漕浦を訪れる。来かかった老人(前ジテ)と言葉を交わし,土地に縁のある古歌などについて話し合う。老人は,この浦は殺生禁断の所だが,ある男が毎夜隠れて網を下ろしていたのが露見して殺されたことがあると物語り,自分こそその男の霊の仮の姿だと明かす(〈片グセ〉)。そのうち,にわかに海が荒れ出し,あたりの火も消え果てた闇の中に,老人の姿は消え失せる(〈ロンギ〉)。僧が弔いをすると,やつれ果てた面ざしの幽霊(後ジテ)が現れ,死後も執心の網を操って魚を捕る様を見せ(〈立回リ〉),陰惨な地獄の苦しみをまのあたりに示し,なお弔いを願って海中に去る(〈中ノリ地〉)。クセ・ロンギと立回リ・中ノリ地が中心。暗さを強調することで,生きるものの罪業を深々と描く。
執筆者:横道 万里雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…落窪の君は継母のおとし入れをこえて,左大将の子の左近の少将と結ばれ,栄華を極めた。なお,姫君の忠実な侍女阿漕(あこぎ)の活躍も目立つ。姫君が継子としての辛酸をなめる境遇を具体的に描くと同時に,《宇津保物語》の名がその首巻で,俊蔭女とその子仲忠が木のうつぼに住んでいたことからつけられたように,空洞信仰の象徴としての意味をも落窪は有する。…
…海岸砂丘は松林が美しく,後背湿地は水田などに利用されている。謡曲《阿漕》で名高い親孝行の漁師平治をまつった阿漕塚,芭蕉の句碑,観海流泳術の元祖の碑などがある。この浦の北部にヨットハーバー,南部に日本鋼管の造船所が立地する。…
…時代物。1段(2場―阿漕浦,平次住家)。1741年(寛保1)9月大坂豊竹座初演の《田村麿鈴鹿合戦》四段目を独立させ改名した作。…
※「阿漕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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