阿多田島(読み)あたたじま

日本歴史地名大系 「阿多田島」の解説

阿多田島
あたたじま

[現在地名]大竹市阿多田

小方おがたの東南海上約一二キロに位置する周囲八キロ余の島。厳島南方にあたり、周辺に猪子いのこ島・可部かべ島・かぶと島などがある。江戸時代は小方村に属した。応安四年(一三七一)今川了俊の「道ゆきぶり」に、

<資料は省略されています>

とあるのがこの島のことで、「芸藩通志」は阿太止あたと阿多々あたたとも記す。毛利氏家臣賀屋五右衛門尉宛の天正一六年(一五八八)四月日付「閥閲録」所収賀屋太郎左衛門家文書に「岩国沖あたゝ島之儀、先以其方可被居候」とある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿多田島」の意味・わかりやすい解説

阿多田島
あたたじま

広島県南西部、広島湾西口にある島。厳島(いつくしま)の南5キロメートルにあり、大竹市に属す。面積2.41平方キロメートル。北東岸に漁村があり、明治・大正期にはハワイやアメリカ本土へ多くの移民が出た。漁業は昔からイワシ網漁が盛んで、近年はハマチ、タイ、ヒラメ養殖が行われる。一時瀬戸内海の公害激化により深刻な打撃を受けたが、環境改善につれ少しよくなった。海水浴場や磯(いそ)釣りの岩場がある。本土の小方(おがた)港との間にフェリーが通じる。人口306(2009)。

[北川建次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「阿多田島」の意味・わかりやすい解説

阿多田島
あたたじま

広島県南西部,広島湾の西部,厳島の南に浮ぶ島。大竹市に属する。島の産業ミカンなど果樹やイモの栽培,イワシ網漁であったが,現在はハマチ養殖に力を入れている。本土の大竹港定期船で結ばれる。面積 2.41km2。人口 330 (2000) 。

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デジタル大辞泉プラス 「阿多田島」の解説

阿多田島

山口県岩国市の岩国港の東沖約6キロメートル、厳島の南約5キロメートルに位置する安芸群島の島。「あたたじま」と読む。広島県大竹市に属し、面積は約2.41平方キロメートル。ハマチやヒラメなどの養殖漁業が盛ん。

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