防風(読み)ぼうふう

精選版 日本国語大辞典 「防風」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐ふう バウ‥【防風】

〘名〙
① 風を防ぐこと。ぼうふ
作戦要務令(1939)一「成るべく防風及給水特に馬の水与に便なる地を選び」
セリ科多年草中国東北部、華北部、朝鮮半島モンゴル原産。高さ二〇~八〇センチメートルで全体に毛がある。根茎は太く、基部は褐色の繊維でおおわれる。茎は単生し、葉は長さ七~二〇センチメートル、一ないし二回羽状全裂する。小さな黄色花を複散形花序に咲かせ、径一・五~三・五センチメートル。果実卵形で長さ三~五ミリメートル、幅二~二・五ミリメートル。根茎および全草を鎮痛、消熱、解毒などに用いる。江戸時代、享保年間まではもっぱら中国から輸入され、その後日本でも栽培されるようになった。漢名、防風。
※延喜式(927)三七「元日御薬 〈略〉防風三分。烏頭一両二分」 〔本草綱目‐草部・防風・集解〕
植物はまぼうふう(浜防風)」の古名。《季・春》 〔俳諧・毛吹草(1638)〕

ぼう‐ふ バウ‥【防風】

〘名〙 (「ぼうふう(防風)」の変化した語)
① =ぼうふう(防風)①〔文明本節用集(室町中)〕
浮世草子好色一代女(1686)一「防風(バウフ)(あざみ)など萌出るを用捨もなく踏分

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デジタル大辞泉 「防風」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐ふう〔バウ‐〕【防風】

風を防ぐこと。風防
セリ科の多年草。高さ約80センチ。根は垂直に伸びて堅い。葉は羽状に細かく裂け、裂片は細長い。8、9月ごろ、白い小花を多数つける。中国などに分布漢方で根を発汗鎮痛薬に用いる。
ハマボウフウ別名 春》「かきわくる砂のぬくみや―摘む/久女
[類語](1防水風防防暑防寒除霜防雪防湿防砂防潮防臭防腐防毒防食防疫防縮防空防火

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「防風」の解説

ぼうふう【防風】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。セリ科ボウフウの根を乾燥したもの。発汗解熱鎮痛鎮痙(ちんけい)抗菌降圧などの作用がある。関節リウマチ神経痛に効く大(だい)防風湯(とう)肥満症高血圧糖尿病に効く防風通聖散(つうしょうさん)、顔や頭の発疹(ほっしん)に効く清上(せいじょう)防風湯などに含まれる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「防風」の解説

防風 (ボウフウ)

学名:Ledebouriella seseloides
植物。セリ科の多年草,薬用植物

防風 (ボウフウ)

植物。セリ科の多年草,園芸植物,薬用植物。ハマボウフウの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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