防災基本計画(読み)ボウサイキホンケイカク

デジタル大辞泉 「防災基本計画」の意味・読み・例文・類語

ぼうさい‐きほんけいかく〔バイサイキホンケイクワク〕【防災基本計画】

災害対策基本法に基づいて国の中央防災会議が作成する、政府災害対策に関する基本的な計画
[補説]災害の種類に応じて、災害の予防事前準備、災害発生時の応急対策、災害後の復旧復興、および国・地方公共団体住民責務などが具体的に記述されている。この計画に基づいて、防災業務計画地域防災計画が作成される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「防災基本計画」の意味・わかりやすい解説

防災基本計画
ぼうさいきほんけいかく

災害対策基本法第34条にもとづく、国の防災に関する最高の意思決定機関、中央防災会議(会長・首相)が策定する計画で、自治体の地域防災計画の指針となる。防災体制の確立、災害の応急・復旧対策の迅速化、科学技術研究の推進などについての総合的、長期的計画として1963年に初めて策定されたが、95年1月の阪神・淡路大震災を契機に71年以来24年ぶりに見直しがなされた。国の中央防災会議で正式決定された新計画では、阪神・淡路大震災で初動体制のおくれが指摘されたことに対する反省から、自衛隊は緊急の場合は都道府県知事要請を待たずに部隊派遣ができることや、自衛隊と自治体の共同防災訓練の実施、災害時の協力関係をあらかじめ定めることを求めるなど、自衛隊の活用を強く打ち出した。国民に2、3日分の食料、飲料水の備蓄を求めることも明記、自主防災思想の普及、徹底をはかる一方、ボランティア活動や海外からの支援の受け入れ体制の整備も盛り込んだ。

西田 隆]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「防災基本計画」の意味・わかりやすい解説

防災基本計画
ぼうさいきほんけいかく

国の防災対策に関する基本計画。災害対策基本法(昭和36年法律223号)の 34条1項の規定に基づき,中央防災会議が作成する。1963年に策定されて以来,さまざまな自然条件,社会構造の変化に対応して随時見直されてきた。国,公共機関,地方公共団体,事業者,住民などが果たすべき責務や役割を明らかにし,防災業務計画,地域防災計画における重点事項の指針を示すことによって,国の災害に対処する能力の充実強化をはかることを目的としている。「防災体制の確立」「防災事業の促進」「災害復興の迅速化」「防災の制御や整備に対する科学技術・研究の振興」「防災業務計画,地域防災計画において重点をおくべき事項」に関して基本的方針を掲げている。

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世界大百科事典(旧版)内の防災基本計画の言及

【災害対策基本法】より

…まず組織については,防災行政の基本的組織として国に中央防災会議,地方公共団体に地方防災会議を,また非常時の組織として国に非常災害対策本部,地方公共団体に災害対策本部を,それぞれ置くこととしている。次に防災計画については,中央防災会議が防災に関する総合的長期的な計画として防災基本計画を定め,それに基づき都道府県,市町村がそれぞれ都道府県地域防災計画,市町村地域防災計画を定めることとしている。そして各機関はこれらの計画に従って災害予防,災害応急対策,災害復旧事業などの防災活動を実施することとされている。…

【防災】より


【防災対策の現状】

[防災会議]
 国には中央防災会議があり,県レベルでは都道府県防災会議があり,市町村レベルでは市町村防災会議を設けることができる。中央防災会議は防災に関する基本的な計画として防災基本計画を作成し,それぞれの省庁や指定公共機関は防災基本計画に基づいて防災業務計画を作成することになっている。都道府県防災会議や市町村は,それぞれ地域防災計画を作成することになっている。…

※「防災基本計画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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