阪(漢字)

普及版 字通 「阪(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(異体字)坂
常用漢字 7画

[字音] ハン
[字訓] さか・つつみ・けわしい

[説文解字]
[その他]

[字形] 形声
声符は反(はん)。反は樊援(はんえん)(よじのぼる)の困難なところで、そりかえり、ひき返す意がある。〔説文十四下に阪を録して「坡(さか)なるを阪と曰ふ。一に曰く、澤(たくしやう)なり。一に曰く、山脅(さんけふ)なり」とあって、池の堤、山脇などの義があるという。坂は〔集韻〕などに至ってみえる後起の字。阪は(ふ)に従い、は神梯の象で神の陟降するところ。その聖地は、みだりに人の攀援しがたい峻険のところで、ときには障を施すことがあった。わが国の磐座(いわくら)のようなところであろう。坂は一般に地勢の嶮峻なところをいう。国語の「さか」は分岐するところ、地勢の逆(さか)なるところをいう。

[訓義]
1. さか、つつみ、他をへだてるもの。
2. たかい、けわしい、かたむく、ななめ。
3. 字はまた、坂に作る。

[古辞書の訓]
和名抄〕坂 佐加(さか) 〔名義抄〕阪 サカ・ナミ・イケ/坂 サカ

[語系]
阪・坂piuanは陂piai、坡phuaiと声義近く、〔説文〕十四下に「坡なるを阪と曰ふ」とし、坡(は)十三下は「阪なり」のように互訓する。また陂(ひ)十四下は「阪なり」とあり、陂とは阪の地勢の陂陀(はだ)(うねうねとつづく)たるさまをいう。

[熟語]
阪岸阪険阪隰阪阻・阪阪田
[下接語]
九阪・丘阪・急阪・険阪・山阪峻阪・升阪・峭阪・絶阪・壇阪・長阪・盤阪・陵阪・

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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