闇雲(読み)やみくも

精選版 日本国語大辞典 「闇雲」の意味・読み・例文・類語

やみ‐くも【闇雲】

[1] 〘名〙
黒雲
黄表紙・高漫斉行脚日記(1776)上「不思議やにわかに空かきくもり、やみくも立かさなりけるままに」
② (形動) 闇の中で雲をつかむように、漠然としてあてのないこと。また、前後のみさかいのないこと。むりやり行なうこと。また、そのさま。むやみやたら。闇雲無性(やみくもむしょう)
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一二(1762)礼二「やみくもにすてっぺんから足を取り」
※談義本・根無草(1763‐69)後「恋の叶はぬ業腹まぎれ、朕闇雲(ヤミクモ)亡命(かけおち)して」
[2] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) (一)②に同じ。
洒落本・通人三国師(1781)発端「きどらねヱでやみ雲ぬしが出てあるいちゃア」
滑稽本東海道中膝栗毛‐発端(1814)「やみくもとつかみあふてゐるうち、夜あけて」

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デジタル大辞泉 「闇雲」の意味・読み・例文・類語

やみ‐くも【闇雲】

[名・形動]先の見通しもなくむやみに事をすること。また、そのさま。「闇雲に突っ走る」
[副]むやみやたらに。
「―とつかみ合うてゐるうち、夜明けて」〈滑・膝栗毛・発端〉
[類語]無謀無鉄砲めくら滅法盲目的後先見ず向こう見ず命知らずみだりやたらむやみ無性にむやみやたらめったやたらめったあまり無下に後先なし無謀無鉄砲めくら滅法盲目的後先見ず向こう見ず命知らず破れかぶれやけ自暴自棄ふてくされるやけくそやけっぱち自棄捨て鉢八方破れ無軌道放埒ほうらつ放縦放逸奔放野放図勝手次第好き勝手ほしいまま切実切切痛切つくづくつらつらひしひししみじみこころからしんから心が動くこよなくぞっこんじいん度外れめっぽう途方もない途轍とてつもない桁違い過度すごくひどいはなはだこの上ないとても特別ことさらひたすら

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