閣下(読み)かっか

精選版 日本国語大辞典 「閣下」の意味・読み・例文・類語

かっ‐か カク‥【閣下】

〘名〙
高殿の下。転じて、天子大臣など高貴な人のそば
正法眼蔵随聞記(1235‐38)一「只悟道の未(いま)だしきことを愁て、或は楼上、若(もしく)は閣下に、考妣(こうひ)を喪(も)せるが如くにして道を思ふなり」 〔漢書‐厳延年伝〕
② 高位、高官の人を敬って、その名の下に付けて用いた語。日本では、旧勅任官や将官以上の人を敬って、単独代名詞のようにも用いた。〔新撰字解(1872)〕
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「全体状況に於て東郷閣下に似て居るのみならず」 〔韓愈‐上宰相書〕

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デジタル大辞泉 「閣下」の意味・読み・例文・類語

かっ‐か〔カク‐〕【閣下】

高殿たかどのもとの意。高貴な人を直接いうのをはばかり、その居所をさしていう語》高位高官の人に対する敬称多く、将官の軍人や勅任官以上の文官に対して用いた。
[補説]作品名別項。→閣下

かっか【閣下】[書名]

北条秀司の戯曲集。昭和15年(1940)刊。第4回新潮社文芸賞受賞。表題作のほか高砂」「藤壺」などの作品を収める。

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普及版 字通 「閣下」の読み・字形・画数・意味

【閣下】かくか

高い身分の人をよぶのに用いる。唐・白居易〔劉州に与ふる書〕閣下僕の爲に駕を(と)くこと十五日、觴夕詠、頗(すこ)ぶる生のを極む。

字通「閣」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「閣下」の解説

閣下

1940年公開の日本映画。監督:今井正、原作:北条秀司による同名戯曲、脚本:八住利雄、撮影:三浦光雄。出演:大河内伝次郎、丸山定夫、水町庸子、三谷幸子ほか。

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