関西国際空港(読み)かんさいこくさいくうこう

精選版 日本国語大辞典 「関西国際空港」の意味・読み・例文・類語

かんさい‐こくさいくうこう クヮンサイコクサイクウカウ【関西国際空港】

大阪湾南西部の沖合い、約五キロメートルの洋上にある国際空港。平成六年(一九九四開港対岸の泉佐野市りんくうタウンとは、鉄道・道路併用の連絡橋で結ばれる。関空(かんくう)

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デジタル大辞泉 「関西国際空港」の意味・読み・例文・類語

かんさい‐こくさいくうこう〔クワンサイコクサイクウカウ〕【関西国際空港】

大阪湾上の人工島にある国際空港会社管理空港の一。人工島は昭和62年(1987)から、大阪府泉佐野市田尻町泉南市の沖合5キロの海上を埋め立てて造成。平成6年(1994)開港。国際線・国内線共に乗り入れ、24時間運用。関西空港関空かんくう。→拠点空港

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「関西国際空港」の意味・わかりやすい解説

関西国際空港
かんさいこくさいくうこう

大阪府泉佐野(いずみさの)市、泉南(せんなん)郡田尻(たじり)町、泉南市にまたがる国際拠点空港。会社管理空港の一つ。関西空港、関空ともよばれる。総面積は約1055万平方メートルで、二つの空港島に3500メートルと4000メートルの2本の滑走路がある(2016)。民間企業の関西エアポート株式会社が運営し、特殊会社の新関西国際空港株式会社が用地・施設を保有・管理する。2015年(平成27)の年間発着回数は約16万4000回、年間旅客数は約2321万人、年間取扱貨物量は約71万9000トンを数える。関西国際空港への交通機関としては、高速道路のほか鉄道(JR西日本、南海電鉄)が乗り入れ、大阪府心から鉄道で約30分で到達できる。

 関西国際空港は、立地条件のため騒音問題や処理能力の限界に達した大阪国際空港(伊丹(いたみ)空港)にかわって、大阪湾泉州沖約5キロメートルの海上に設置された。1983年(昭和58)、空港設置が地元で承認され、翌1984年、官民共同出資の関西国際空港株式会社が設立されて本格的に事業が開始された。24時間空港の運用ができる国際空港で、経済的効果の面で他の空港に与える影響は小さくない。また、この空港は日本で初めてその計画に外国企業の参加を認めた空港で、空港旅客ターミナルの基本設計はイタリアのレンゾ・ピアノの案が採用された。1992年(平成4)の供用開始を予定していたが、漁業補償の交渉が遅れたことや埋立面積の増加、予想以上の軟弱な地盤のため地盤沈下対策を強化したこと、複雑なターミナルビル工事などで工期は約2年遅れて、1994年9月4日にようやく開港した。また事業費も大幅に増大し、当初は1期分で8200億円であったのが、付帯工事の追加や金利負担の増加によって、1兆4580億円となった。空港完成により大阪国際空港発着の国際線はすべてこの空港に移された。

 2012年7月、関西国際空港は大阪国際空港と経営統合を行い、同年設立された新関西国際空港株式会社が両空港の管理・運営業務を開始した。その後、コンセッション(事業運営権の売却)が実施され、2016年4月より関西エアポート株式会社による運営が行われている。

[落合一夫・編集部 2016年11月18日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「関西国際空港」の意味・わかりやすい解説

関西国際空港
かんさいこくさいくうこう
Kansai International Airport

大阪湾南東部の泉州沖 5kmの海を埋め立てて建設された国際空港。2008年の空港法で定められた拠点空港の会社管理空港で,旧第1種空港にあたる。大阪国際空港が騒音問題で使用時間や発着回数に厳しい制約を受けたことから,世界初の海上空港を建設することになり,国・大阪府・民間により設立された第三セクターの関西国際空港株式会社が運営主体となった。1987年第1期建設工事が始まり,面積約 5.10km2沖合人工島に,3500mの滑走路を設置,1994年9月に開港した。1999年第2期工事が着工,約 5.45km2の用地を造成し 4000mの滑走路を整備,2007年に供用を開始した。24時間利用が可能なためハブ空港としての役割も大きい。人工島の地盤沈下は,1988年の埋め立て開始から 2010年までに累計 12.78mとなったが,収束傾向にある。東京湾アクアラインと並んで 20世紀最後の大プロジェクトといわれた。

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百科事典マイペディア 「関西国際空港」の意味・わかりやすい解説

関西国際空港【かんさいこくさいくうこう】

大阪湾泉州沖に新設された24時間利用可能な第1種空港。関西空港,関空とも。1994年開港。設計レンゾ・ピアノ。世界で初めての人工島の海上空港である。国際空港としては30ヵ国,74都市と結ばれ(2004年),ベトナム,ネパール,モンゴル,ミャンマーなどアジア諸国とは日本で唯一の直行便をもつ。滑走路は1本で運用されてきたが,2000年から平行滑走路の建設・整備が進行中,2007年8月には第2期新滑走路を運用。2007年度の航空機発着回数は約13万回,航空旅客数は約1669万人,貨物取扱量は約84万6500t。経営主体は国,地元自治体,民間の,4対1対1の出資による特殊法人関西国際空港株式会社。米国企業も参入し,総額5兆円という巨大プロジェクトだった。
→関連項目大阪国際空港空港阪和線

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事典 日本の地域遺産 「関西国際空港」の解説

関西国際空港

(大阪府泉佐野市泉州空港北1)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

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世界大百科事典(旧版)内の関西国際空港の言及

【空港】より

…それによると,空港は用途別に陸上および水上飛行場と,陸上および水上ヘリポートの4種に,規模では滑走路の長さによってAからIまでの9等級に分類されている。また,性格と機能から,航空交通網の基幹となる空港で,設置,管理とも国が行う第1種空港(ただし新東京国際(成田)空港は新東京国際空港公団が,また関西国際空港は関西国際空港株式会社が管理),主として国内幹線用の空港で,国が設置し,管理は国または地方自治体が行う第2種空港および主としてローカル航空輸送用の空港で,設置,管理とも地方自治体が行う第3種空港の三つに分けられている。ただし,第2種,第3種空港とも保安施設関係のみはすべて国が担当する。…

※「関西国際空港」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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