間(漢字)

普及版 字通 「間(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(旧字)
12画

(異体字)
12画

[字音] カン
[字訓] すきま・あいだ・しずか

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
旧字はに作る。門+(月)。〔説文〕十二上に「隙なり。門ととに從ふ」とし、古文としてを録する。月光と解されているが、金文字形によって考えると、門に肉をおいて祈る儀礼を示す字であるらしく、そこから離隔・安静の意が生ずるのであろう。〔左伝、定四年〕「管(叔)(叔)(ひら)きて王室(きかん)す」とあり、その呪詛的方法を示す字と考えられる。

[訓義]
1. あいだ、すきま、へだつ、うかがう。
2. しずか、やすらか、くつろぐ、いこう。
3. ひそかに、こっそり。
4. 時間的にへだたる、このごろ、しばらく。
5. 距離的にへだたる、あいま、へだたる、はなれる、へや。
6. 簡と通じ、大きい、はぶく。
7. 閑と通じ、ふせぐ、ふさぐ。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ハジメ・ミテル・ヒマ・シバラク・コノゴロ・ウカガフ・サカフ・タガヒニ・ヒソカニ・アヒタマ・ママニ・イフ・アツカル・マシナフ・イユ・マジハル・シヅカニ・フサク・アヒダム・ハサマル・ソシル・カサル・アヒダ・マ/人 ヨノナカ/中 ナカコロ/此 ココ/彼間 カシコ/偸 アカラサマ/諜 ウカミス 〔字鏡集〕 ハシタ・サカフ・ヘダツ・マジナフ・ハカル・マホル・アタフ・フサク・アツラフル・ママニ・コホル・イロフ・ツシル・イユ・ハサマル・ヒソカ・カザル・マジハル・シヅカニ・アヒタム・タガヒニオクル・アハ(シバ)ラク・コノコロ・イトマ・ヒラク・ミタル・タガヒニ・セキ・トル・アツラフ・マ・ヒマ・ヨ

[声系]
〔説文〕に声として(簡)・・嫺など十四字を収める。・嫺など、通用の義をもつものがある。

[語系]
kean、隙khyakは声義の関係がある。隙は神の陟降する神梯((ふ))の前に玉(日)をおき、その光が上下に照射する象で、神と人との間を隔てるもの、いわゆる神人の際を示す。門において肉(月)を供えて祀る象で、隙と同様の意味をもつ字である。*語彙は閑字条参照。

[熟語]
間雲・間詠・間宴・間園・間・間暇間架・間雅・間隔間闊・間官・間間・間漢・間関・間・間居・間・間径間隙間郤・間・間潔・間月・間健・間言・間語間口・間行・間候・間・間構・間坐・間歳・間雑・間散・間・間止・間伺間廁・間視・間事・間者・間執・間習・間処・間情・間色・間心・間人間甚・間靖・間静・間寂・間染間然・間阻・間・間疎間澹・間・間澹間断・間談・間地間諜・間丁・間適・間土間道・間衲・間廃・間伏・間歩・間放・間謀・間謗・間民・間離・間麗・間路・間話
[下接語]
安間・雲間・乖間・間・期間・窺間居間・峡間・行間・空間・間・候間・山間・讒間・伺間・時間・週間・瞬間・少間・承間・乗間・人間・世間・静間・草間・艙間・俗間・待間・中間・田間・投間・偸間・等間・発間・反間・眉間・幇間・坊間・民間・夜間・有間・幽間・優間・余間・腰間・欄間・離間・林間

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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