開放・明放(読み)あけはなし

精選版 日本国語大辞典 「開放・明放」の意味・読み・例文・類語

あけ‐はなし【開放・明放】

〘名〙 (「あけばなし」「あけぱなし」とも)
① (形動) すっかりあけること。また、あけたままにしておくさま。あけっぱなし。
政談(1727頃)三「田舎地頭も不住居代官も不居ば、唯明放しの様也」
② (形動) 隠し立てをしないで、心のうちを話したり、ありのままの姿を見せたりすること。あけっぱなし。あけっぴろげ。
三四郎(1908)〈夏目漱石〉八「東京は田舎と違って、万事が明(ア)け放(ハナ)しだから」
カメラレンズに絞りをかけないで全開すること。かいほう。

あけっ‐ぱなし【開放・明放】

〘名〙 (形動) (「あけはなし」の変化した語。「あけっばなし」とも)
※落語・玉の輿(1894)〈禽語楼小さん〉「己れの家を二日三日も明けっ放しじゃア困るぢゃア無へか」
洒落本・夢之盗汗(1801)二「此子もあけっばなしの色事がすきだからいいのふ」

あけ‐はな・す【開放・明放】

〘他サ五(四)〙
① 窓、戸、障子などを残らずあける。また、あけたままにしておく。あけはなつ。
※俳諧・太祇句選(1772‐77)秋「明はなし寝た夜つもりぬ虫の声」
② 隠し立てをしないで、話したり、ありのままの姿を見せたりする。
野菊の墓(1906)〈伊藤左千夫〉「話の一歩を進めてお互に明放(アケハナ)してしまふことが出来るのである」

あけっ‐ぱな・す【開放・明放】

〘他サ五(四)〙 「あけはなす(開放)」の変化した語。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)五「格子を明(アケ)っ放(パナ)して往たから」

あけ‐はな・つ【開放・明放】

〘他タ五(四)〙 =あけはなす(開放)
カズイスチカ(1911)〈森鴎外〉「藁葺の家が、建具を悉くはづして、開け放ってある」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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