閂・貫木(読み)かんぬき

精選版 日本国語大辞典 「閂・貫木」の意味・読み・例文・類語

かん‐ぬ‐き クヮン‥【閂・貫木】

〘名〙
① (「かんのき(貫木)」の変化した語) 門の扉をさしかためるための横木。左右の扉の金具に差し通して、開かないようにするもの。関木(かんぎ)
※御伽草子・酒呑童子(室町末)「同じ扉に鉄(くろがね)の太きくゎんぬきさし立てて」
※洒落本・世説新語茶(1776‐77か)変語「長い大小をくんぬきにさし」
和船の船首近くにある両舷に貫通した船梁(一番船梁)。舷側から突出した部分が碇(いかり)さばきに用いられる。本来は一本だったが、近世の代表的廻船である弁才船では、取外し式の舷材である五尺の上に上貫木が付加され、積荷のある時の碇さばきに用いるようになったため、本来のものは下貫木と名付けて空船の時に用いた。
※船法御定並諸方聞書(1724頃)「筑前船の弐番のくゎんぬきより、どうの腰あてまて、痛め引込置申候」
④ 相撲で相手のもろざしの腕を上から抱きしめ上げること。〔相撲講話(1919)〕
人形浄瑠璃の人形の型の一つ。両手を大きく左右に広げて、立ちはだかった見得。「車曳」の松王や、「忠臣蔵」の勘平の伴内との立回りなどに見られる。
⑥ 料理の一つ。鰌(どじょう)を丸のままに煮たもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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