門説経(読み)かどぜっきょう

精選版 日本国語大辞典 「門説経」の意味・読み・例文・類語

かど‐ぜっきょう ‥ゼッキャウ【門説経】

〘名〙 江戸時代羽織を着、一刀を帯び、編笠をかぶって人家門前に立ち、簓(ささら)三味線胡弓(こきゅう)に合わせて説経浄瑠璃をうたい、物乞いをした者。唱門
俳諧・正章千句(1648)四「秋かぜのささらは何と摺ぬらん 門説経に声ぞかれたる」

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デジタル大辞泉 「門説経」の意味・読み・例文・類語

かど‐ぜっきょう〔‐ゼツキヤウ〕【門説経】

江戸時代、人家の門口や町の路上編み笠をかぶり、ささら・三味線・胡弓こきゅうなどに合わせて説経浄瑠璃を語り、金品を請うた芸。また、その人。唱門しょうもん

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世界大百科事典(旧版)内の門説経の言及

【説経節】より

…説経はまたこの芸能を行う者を意味することがあり,この意味では〈説経の者〉〈説経説き〉ともいう。門付(かどづけ)をするものを門説経,簓(ささら)を伴奏とするものを簓説経,哀調をおび歌謡風のものを歌(うた)説経,操人形と提携したものを説経操りなどということがあり,本来,別系統の芸能である浄瑠璃の影響を受けたものを説経浄瑠璃という。
[起源]
 僧などが仏教経典を講説することも説経と呼ばれ,古く奈良時代から行われたが,平安末から鎌倉時代には専門の説経師があらわれた。…

※「門説経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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