長登村(読み)ながのぼりむら

日本歴史地名大系 「長登村」の解説

長登村
ながのぼりむら

[現在地名]美東町大字長登

秋吉あきよし台の東端に位置し、北はあか村、南は大田おおだ村と接する。東西に赤間関あかまがせき街道(中道筋)が、南北に瀬戸崎せとざき船木ふなき街道が通る。銅山の村であった。

村名の由来を「注進案」は、「当村は金山所にて、往古奈良の都大仏を鋳せらるゝ時、大仏鋳立の地金として当地の銅弐百余駄貢がしめらるる其恩賞として奈良登の地名を賜り、(中略)いつしか奈良を長と唱へ替たる訳詳ならず」とし、奈良時代より長登の鉱山が開発されたとの伝承を記す。

「美東町史」所引香山常栄寺文書に「就当寺領大田長登銀山の儀云々」とある。この文書は山口の国清こくしよう寺納所禅寺宛のもので、年時は不詳であるが文中に記される人物から推して天文末年頃と思われる。

慶長五年(一六〇〇)検地帳でも大田郷とよばれ、以後銀山が盛んとなるに及んで大田郷より分離した。元禄一二年(一六九九)の郷帳では長登銅山村、「地下上申」で長登村と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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