長浜市(読み)ナガハマシ

デジタル大辞泉 「長浜市」の意味・読み・例文・類語

ながはま‐し【長浜市】

長浜

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日本歴史地名大系 「長浜市」の解説

長浜市
ながはまし

面積:四五・四六平方キロ

湖北平野の中央部に位置し、市域北端をあね川が西流する。西は琵琶湖に面し、北は東浅井ひがしあざい郡びわ町・虎姫とらひめ町・浅井町、東は坂田郡山東さんとう町、南は同郡近江町に接する。湖岸近くを南北にJR北陸本線が通り、その東を国道八号・同バイパスが走り、その東の市域中央部を北陸自動車道が通り、長浜インターチェンジがある。市域全体がほぼ平坦地で、わずかに東端部が標高二七〇―三一〇メートルの横山よこやま丘陵となる。天正二年(一五七四)羽柴秀吉よね川河口に築城を開始し、同三年か四年に完成移転し、それまでの今浜いまはまの地名を長浜に変えたといわれる。旧坂田郡に属し、その中心地域であった。

〔原始・古代〕

市街地北部の十里町じゆうりちよう遺跡は縄文から弥生時代の複合遺跡で、弥生時代の木棺土壙墓が発見されている。鴨田かもた遺跡は弥生から古墳時代のもの。横山の裾部には緒頭山もろとうやま古墳群があり、越前塚こしまえづか古墳からは方形周溝墓六二・古墳五などが発見された。国友くにとも遺跡からは古墳時代の多くの遺物が発見され、垣籠かいごめ古墳はかつて古墳群を形成していたと思われる。たつはな古墳群は前方後円墳三・円墳五からなっている。坂田郡衙は移動したと考えられており、大東おおひがし遺跡が第一次郡衙、宮司みやし遺跡が第二次郡衙であるとされる。

歴史時代の現市域は、まず息長氏の活躍から考える必要がある。大和王権時代にこの氏族の果した役割は大きく、近江最大の豪族といってもよい。坂田郡では郡名を負う坂田氏と、それにこの息長氏が勢力を誇った。文献のうえではあまり有名な人物を出していないが、継体天皇の頃から次々と大王・天皇家と姻戚関係を結び、勢力を伸ばしていった。継体天皇の出身については疑問が多いが、あるいは息長氏の人物ではないかという説もあるくらいである。そうだとすれば近江を基盤とし、その力で大王位を奪ったということになる。この氏族が湖の交通を勢力の基礎としていたことはまずまちがいなく、息長真人老が遣新羅使として記されるが(「日本書紀」持統天皇六年一一月八日条)、やはり湖上交通を通じて勢力を蓄えたことが知られる。この氏族と湖は密接な関係にあったわけで、とすれば坂田郡でも湖沿いの地に拠点をもっていたと考えるほうが妥当である。本拠地は横山丘陵から西の湖岸沿いの地、長浜市から坂田郡近江町・米原町にかけてではないかと思われる。また当市域は渡来系氏族の居住地でもあった。「日本書紀」によると、新羅からやってきた天日槍は近江に至り、「吾名邑」に落着いたという(同書垂仁天皇三年三月条)

長浜市
ながはまし

2010年1月1日:長浜市が東浅井郡虎姫町・湖北町、伊香郡高月町木之本町余呉町西浅井町を編入
【長浜市】[変更地名]滋賀県
【虎姫町】滋賀県:東浅井郡
【湖北町】滋賀県:東浅井郡
【高月町】滋賀県:伊香郡
【木之本町】滋賀県:伊香郡
【余呉町】滋賀県:伊香郡
【西浅井町】滋賀県:伊香郡

長浜市
ながはまし

2006年2月13日:長浜市と東浅井郡浅井町・びわ町が合併
【長浜市】滋賀県
【浅井町】滋賀県:東浅井郡
【びわ町】滋賀県:東浅井郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長浜市」の意味・わかりやすい解説

長浜〔市〕
ながはま

滋賀県北部,琵琶湖北岸にある市。県の北端に位置し,北西で福井県,北東で岐阜県に接する。1943年長浜町と神照村,六荘村,南郷里村,北郷里村,西黒田村,神田村の 6村が合体し,市制。2006年浅井町,びわ町と合体。2010年虎姫町,湖北町,高月町,木之本町,余呉町,西浅井町の 6町を編入。中心市街地の長浜は天正2(1574)年,今浜にあった古城を羽柴秀吉(豊臣秀吉)が改築,長浜と改名して城下町をつくったことに始まり,江戸時代は彦根藩の港町,商業の町として発展。中期以降は浜縮緬(→縮緬),蚊帳の生産でさらに栄えた。湖北地方の行政,商工業の中心地。縮緬,ビロードなどの繊維のほか,ディーゼルエンジン,合成樹脂などの工業がある。周辺の農村部は米作地域。長浜城跡や大通寺(本堂,広間,含山軒および蘭亭は国の重要文化財。含山軒および蘭亭庭園は国の名勝)など旧跡,古社寺が多い。八幡神社の「長浜曳山祭の曳山行事」は国の重要無形民俗文化財で,2016年に「山・鉾・屋台行事」の一つとして国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界無形遺産に登録された。北近江城館跡群,古保利古墳群小谷城跡は国の史跡。慶雲館庭園,浄信寺庭園は国の名勝。琵琶湖北部に浮かぶ竹生島は国の名勝・史跡に指定され,島内にある宝厳寺の唐門,都久夫須麻神社本殿は国宝。1882年建造の旧長浜駅舎は現存する日本最古の駅舎で,鉄道資料館として公開。湖岸一帯は琵琶湖国定公園に属する。JR北陸本線,湖西線,国道8号線,303号線,365号線が通り,北陸自動車道のインターチェンジがある。面積 681.02km2。人口 11万3636(2020)。

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