長柄・長柄橋(読み)ながら・ながらのはし

日本歴史地名大系 「長柄・長柄橋」の解説

長柄・長柄橋
ながら・ながらのはし

淀川下流域の新淀川と淀川(大川)の分岐点、明治二九年(一八九六)の淀川改修以前の中津川と淀川の分岐点辺りを称したと考えられる。「住吉大社神代記」の「長柄船瀬本記」に長柄の船瀬(港津)の四至を記して「東限高瀬大庭 南限大江 西限鞆淵 北限川岸」とあり、「右船瀬泊欲遣唐貢調使調物積船舫造泊、天皇念行時、大神訓賜、我造長柄船瀬進矣□造也」と記される。淀川水系で運ばれた荷物が、ここで遣唐船に積込まれたのであろう。高瀬たかせ大庭おおばは現守口もりぐち市、鞆淵ともぶちは現都島みやこじま区に比定される。河道の変化などのため「長柄」とよばれた地域を特定するのは困難であるが、当地が近世南・北の長柄村と称したこと、淀川上流の橋寺はしでら(現東淀川区)が古く「上長柄」とよばれたと伝えること(摂津志)などから、当地一帯が長柄の遺称地といわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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