長与俊達(読み)ながよしゅんたつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「長与俊達」の意味・わかりやすい解説

長与俊達
ながよしゅんたつ
(1791―1855)

幕末期の大村藩種痘医。大村藩医長与知正俊民の二男。名は介、号は松移。長与家は代々医を業とした。初め漢方、のち種痘に没頭。1830年(天保1)藩の種痘医を命じられ、1835年とくに命じて痘家とされた。1842年大村の南の古田山に病瘡(びょうそう)患者隔離収容所を開設。1849年(嘉永2)モーニケから牛痘苗を得て牛痘法を藩内に広めた(日本の先駆)。養子中庵が1841年没したため、孫の専斎(せんさい)を嗣子(しし)とし適塾に学ばせた。著作に『昆氏病理学字彙(じい)』がある。墓は東京都港区青山墓地と郷里の大村市にある。

[末中哲夫]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「長与俊達」の解説

長与俊達 ながよ-しゅんたつ

1790-1855 江戸時代後期の医師。
寛政2年生まれ。長与専斎の祖父。天保(てんぽう)元年肥前大村藩(長崎県)の種痘(しゅとう)医を命じられ,古田山に疱瘡(ほうそう)収容所をひらく。嘉永(かえい)2年蘭医モーニッケから牛痘苗をえて,藩内に牛痘法をひろめた。安政2年2月26日死去。66歳。肥前大村出身。名は介。号は松移。著作に「昆氏病理学字彙(じい)」。

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