鎌先温泉(読み)かまざきおんせん

日本歴史地名大系 「鎌先温泉」の解説

鎌先温泉
かまざきおんせん

[現在地名]白石市福岡蔵本 鎌先

蔵本くらもと地籍の北、県道鎌先線沿いの谷の奥にあり、湯元一条・木村屋・最上屋・鈴木屋の温泉場がある。釜崎とも記した(観蹟聞老志)。温泉の起源については古くから正長二年(一四二九)説が唱えられている。「蔵本村安永風土記」に「正長二年五月当郡白石本郷より樵夫此処に罷越、まくさを刈候節渇候ニ付水求候処、岩窟の辺ニ流水の声聞得候間、参り見申候得ハ水気如煙之立昇り温泉湧出申候ニ付其岩を鎌にて穿ち終ニ湯壺壱区ヲ相構、薬師仏の木像安置(中略)康正元年大洪水之節堂宇并湯小屋坪押流され中絶、天正元年三月京都一条より市兵衛と申者罷下り再興仕候」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鎌先温泉」の意味・わかりやすい解説

鎌先温泉
かまさきおんせん

宮城県南部,白石市にある温泉。不忘山 (1705m) の東麓阿武隈川支流沿いに位置する。泉質食塩泉泉温は約 40℃。室町時代に発見され,湯治場として発展した。現在は不忘山の登山基地。弥治郎こけし産地東方 5kmを東北自動車道通り,白石インターチェンジがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鎌先温泉」の意味・わかりやすい解説

鎌先温泉
かまさきおんせん

宮城県南部、白石市(しろいしし)北西部にある温泉。中世に鎌の先で発見したという伝説からこの名があり、奥州薬湯として農民湯治場であった。泉質は塩化物泉。不忘山(ふぼうざん)の登山基地で、付近に伝統こけしをつくる弥治郎(やじろう)の集落がある。

[長谷川典夫]

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