精選版 日本国語大辞典 「鍵・鉤」の意味・読み・例文・類語
かぎ【鍵・鉤】
[一] (鍵・鎰・鏁・鑰)
① 錠(じょう)の穴にさし入れ、開閉する金具。
※万葉(8C後)九・一七三八「さし並ぶ 隣の君は あらかじめ 己妻(おのづま)離(か)れて 乞はなくに 鎰(かぎ)さへ奉る」
② 柱時計などのぜんまいを巻くのに用いる金具。
③ 紋所の名。鍵の型を組み合わせた図柄のもの。丸に鍵、鍵桐、糸輪に違鍵、二つ鍵菱などがある。
※内地雑居未来之夢(1886)〈坪内逍遙〉一「説明(ときあかし)の鍵(カギ)を得るに由なし」
[二] (鉤)
① 先端が曲がった、金属製の細長い具。物をひっかけて、止めたり引いたりするのに用いる。また、それに似た形や物。
※書紀(720)皇極三年一一月(岩崎本訓)「門毎に、水盛(い)るる舟(ふね)一つ、木鉤(カキ)数十(とをあまり)を置きて、火の災に備ふ」
② ①の鉄製のものを長い木の柄につけて武器やその他の道具としたもの。相手をひっかけて倒したり、物をこわしたりするときに用いる。
※小川本願経四分律平安初期点(810頃)「塚間に在りて、钁・鉤(カギ)・刀・鎌を得たり」
③ 「かぎやり(鉤鎗)」の略。
④ 「かぎのて(鉤手)」の略。
※満佐須計装束抄(1184)一「うへの袴は右をうはがへしにして、腰を引き廻はして、左のうしろにかぎに結びて」
※玉葉‐承安四年(1174)正月二〇日「不レ懸レ勾之申文両三通、此次被レ懸レ勾」
⑥ =かぎかっこ(鉤括弧)
⑦ 鷹のくちばしの先端の、鋭くとがっているところ。かぎ点。
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