鋸山(読み)のこぎりやま

精選版 日本国語大辞典 「鋸山」の意味・読み・例文・類語

のこぎり‐やま【鋸山】

(山の形がのこぎりの歯に似ているところからいう) 千葉県房総半島の南西部にある山。東京湾にはいる船の目じるしとなり、中腹日本寺、頂上に千五百羅漢の仏像群がある。標高三二九メートル。

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デジタル大辞泉 「鋸山」の意味・読み・例文・類語

のこぎり‐やま【鋸山】

千葉県、房総半島南部の山。浦賀水道を望み、山頂が鋸の歯のような形を呈している。標高329メートル。

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日本歴史地名大系 「鋸山」の解説

鋸山
のこぎりやま

鋸南町と富津市の境にある山。標高三二九・五メートルで、南房総国定公園に含まれる。山名稜線が鋸の歯のようにみえることに由来するという。頂上からは一〇州が眺望でき、十州一覧台がある。また東京湾・浦賀水道から非常に目につき、航行する船舶の目印にされてきた。かつての上総・安房の国境にそびえることから「限の山」とも称され、里見氏の上総侵攻の際にはたびたび布陣の場となった(「里見代々記」など)

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改訂新版 世界大百科事典 「鋸山」の意味・わかりやすい解説

鋸山 (のこぎりやま)

千葉県南部,鋸南(きよなん)町と富津(ふつつ)市の境にそびえる山。安房と上総の分水界をなす清澄山脈の西端に位置し,東京湾に臨む。標高329m。砂質凝灰岩の岩峰がのこぎりの歯のように連なり,古くから東京湾に入る船の目印とされてきた。江戸時代以来,房州石金谷石の名で知られた建築用石材を産したが,大谷石の進出で衰退した。山頂には〈地蔵のぞき〉と呼ばれる石切場絶壁や見晴しのよい十州一覧台があり,南腹に行基創建と伝える日本寺や,近世末に上総国の石匠大野甚五郎が刻んだ東海千五百羅漢がある。羅漢像は明治初期の廃仏毀釈とかけ事の迷信により,ほとんど首を失い,一名〈首なし地蔵〉と呼ばれる。JR内房線浜金谷駅近くから頂上までロープウェーが通じ,自動車専用道路も開設されている。南房総国定公園の一部をなす。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鋸山」の意味・わかりやすい解説

鋸山
のこぎりやま

千葉県南部、富津市(ふっつし)と安房(あわ)郡鋸南町(きょなんまち)にまたがる山。内房海岸に面し、標高330メートル。第三紀砂質凝灰岩からなり、その名のごとく鋸の歯を立てたような山容を呈する。山麓(さんろく)の北側にかつて房州石(ぼうしゅういし)を切り出した石切場跡があり、垂直に切り立った断崖(だんがい)となっている。頂上付近に十州一覧台があって、東京湾、三浦半島、房総の山並みを展望でき、僧行基(ぎょうき)創建の日本寺、千五百羅漢や百尺観音(かんのん)などの仏像群がある。浜金谷(はまかなや)から頂上へロープウェーが架設され、また有料登山道路も開かれている。南房総国定公園に属し、県指定名勝でもある。内房観光の中心地をなし、浜金谷はフェリーで久里浜(神奈川県)と直結している。

[山村順次]


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百科事典マイペディア 「鋸山」の意味・わかりやすい解説

鋸山【のこぎりやま】

千葉県南部,清澄山塊西端の東京湾に臨む山。標高329m。主として凝灰岩からなり,山容は鋸歯(きょし)状をなす。山頂付近に十州一覧台,五百羅漢像,南腹に奈良時代開創の日本寺,北麓に金谷石の石切場がある。浜金谷から山頂までロープウェーがある。南房総国定公園の一部。
→関連項目鋸南[町]富津[市]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鋸山」の意味・わかりやすい解説

鋸山
のこぎりやま

千葉県南西部,房総丘陵の西端にある山。標高 330m。新第三紀層の砂質凝灰岩が削られて切り立った岩峰をなす。南斜面中腹に僧行基が建立した日本寺があり,頂上付近に五百羅漢がある。山麓北側には石切場があり,房州石を産す。富津市浜金谷から山頂までロープウェーが通じ,南房総国定公園の一拠点をなす。南麓では園芸農業が盛んで,鋸南町保田は寒ギクとスイセンの産地として知られる。

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事典・日本の観光資源 「鋸山」の解説

鋸山

(千葉県富津市・安房郡鋸南町)
東京湾100選」指定の観光名所。

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