銅細工(読み)あかがねざいく

精選版 日本国語大辞典 「銅細工」の意味・読み・例文・類語

あかがね‐ざいく【銅細工】

〘名〙 銅で細工をすること。また、その物。その職人
愚管抄(1220)六「あか金ざいく何かと申候ともがらの」

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改訂新版 世界大百科事典 「銅細工」の意味・わかりやすい解説

銅細工 (あかがねざいく)

金工の一種。8世紀中葉から銅工の名をもって現れるが,彼らは官営工房の造東大寺司,興福寺金堂造物所,内匠寮に所属した。律令体制の衰退とともに官営工房から出た彼らは,平安京にあっては金工が蝟集する七条あたりに住していたものと思われるが,平安時代後期から鎌倉時代初頭にかけて,大きく力を伸張し,たとえば1186年(文治2)には七条の銅細工が,紀伊国由良庄を押妨したとして訴えられているのは(《吾妻鏡》),そうした動向をよく語っている。銅の種類には銅,紺青,緑青の3種があり,室町時代に入ってその消費も進んだが,室町時代初頭成立の《庭訓往来》や《鶴岡放生会職人歌合》にその名をみるものの,その実態は必ずしも明らかではない。
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