鉄道唱歌(読み)てつどうしょうか

精選版 日本国語大辞典 「鉄道唱歌」の意味・読み・例文・類語

てつどうしょうか テツダウシャウカ【鉄道唱歌】

唱歌大和田建樹作詞多梅稚(おおのうめわか)作曲鉄道駅名沿線風物七五調四行の一節ずつに歌いこんだもの。第一集東海道、第二集山陽九州、第三集奥州磐城、第四集北陸、第五集関西参宮南海。明治三三年(一九〇〇五月から一〇月までに発表された。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「鉄道唱歌」の意味・読み・例文・類語

てつどう‐しょうか〔テツダウシャウカ〕【鉄道唱歌】

大和田建樹作詞、多梅稚おおのうめわか作曲の唱歌。鉄道沿線の駅名と風物とを歌い込んだもので、第1集「東海道編」は明治33年(1900)5月に出版され、続いて山陽・九州、東北北関東、信越・北陸、関西の各編が刊行された。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「鉄道唱歌」の意味・わかりやすい解説

鉄道唱歌 (てつどうしょうか)

明治期の唱歌集。角書(つのがき)に〈地理教育〉とある。全5集。各集に2曲ずつ楽譜をつけて,1900年5~11月大阪の三木佐助楽器店が発行した(元版は1889年市田昇文館)。作詞は大和田建樹(たけき)。作曲は多梅稚(おおのうめわか)のものがよく知られているが,東海道(1集),山陽・九州(2集)がそれぞれ多と上真行(かみさねみち),奥州線~磐城線(3集)が多と田村虎蔵,北陸地方(4集)が納所弁次郎吉田信太,関西参宮南海各線(5集)が多。《島船あそび》(奥好義(おくよしいさ)曲),《奈良めぐり》(目賀田万世吉(めかだませきち)曲)の挿入歌がある。〈汽笛一声新橋を〉に始まる多の曲(1集)が広く親しまれたが,七五調のこの種の唱歌は当時類書が続出した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉄道唱歌」の意味・わかりやすい解説

鉄道唱歌
てつどうしょうか

唱歌の曲名。大和田建樹(おおわだたけき)作詞。上真行(うえさねみち)と多梅稚(おおのうめわか)の作曲した2種類あり、多の曲が大流行した。大阪・三木佐助版の歌集は全五冊で、「汽笛一声新橋を」と歌い出す『地理教育鉄道唱歌』第一集(東海道)は1900年(明治33)5月刊。同年中に〔2〕山陽・九州、〔3〕東北・北関東、〔4〕信越・北陸、〔5〕関西の各編も出版されたが、地理教育や交通知識の普及に役だつところから非常に歓迎された。 同類の唱歌は各地に生まれ、1911年の『山陰線鉄道唱歌』に至るまで、全国の鉄道が歌い上げられた。交通網の充実をみた1928年(昭和3)、鉄道省は東京日日新聞と大阪毎日新聞の共催で『新鉄道唱歌』を懸賞募集したことがある。また37~38年には日本放送協会が『新鉄道唱歌』を制作し、国民歌謡として放送した。

[倉田喜弘]

『高取武著『増補追録歌でつづる鉄道百年』(1981・鉄道図書刊行会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android