鈴鹿(読み)すずか

精選版 日本国語大辞典 「鈴鹿」の意味・読み・例文・類語

すずか【鈴鹿】

[一] 三重県北部の地名伊勢平野の中央部にある。古くは伊勢国の国府・国分寺が置かれ、江戸時代は東海道伊勢街道宿駅として発達した。繊維・自動車・電気機械などの工場が立地する工業都市。昭和一七年(一九四二)市制。
[二] 三重県北西部にあった郡。鈴鹿川中上流域を占めた。現在の亀山市鈴鹿市の西部にあたる。

すず‐か【鈴鹿】

[1] 〘名〙 シカの雌。雌鹿。《季・秋》
※古今打聞(1438頃)下「山の霧に友をやまとはせるものあはれにすすか鳴なり」
[2] 名物和琴(わごん)の名。〔江談抄(1111頃)〕

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デジタル大辞泉 「鈴鹿」の意味・読み・例文・類語

すず‐か【鈴鹿】

シカの雌。雌鹿めじか
「あはれけに―鳴くなり」〈古今打聞・下〉
宮中代々伝来した和琴わごん名器の名。

すずか【鈴鹿】[地名]

三重県北部の市。中心神戸かんべは、もと本多氏の城下町和服の模様染めに用いる伊勢型紙産地。西部に鈴鹿サーキットがある。人口19.9万(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「鈴鹿」の意味・わかりやすい解説

鈴鹿[市] (すずか)

三重県中北部の市。1942年河芸(かわげ)郡の神戸(かんべ),白子(しろこ)の2町と7ヵ村,鈴鹿郡の5ヵ村が合体して市制。人口19万9293(2010)。JR関西本線,伊勢鉄道,近鉄名古屋線,鈴鹿線が通じ,国道1号,23号,306号線,東名阪自動車道も通じる。市域は北西の鈴鹿山脈と南西に展開する鈴鹿川支流の扇状地および鈴鹿川本流や派川の沖積地よりなる。古代には伊勢国の中心地として内陸台地の国府町に国府,国分町に国分寺が置かれた。近世には天領や藩領が錯綜しており,内陸部の中心地神戸は,16世紀中期以降領主がめまぐるしく交代した小藩の城下町として,また参宮街道の宿場町として明治を迎えた。一方,海岸部の中心地白子は,紀州藩領で代官所が置かれ,藩米や伊勢木綿の積出港として栄えた。当地出身の大黒屋光太夫が1782年(天明2)白子を出港してのち遠州灘で遭難しロシアに漂着したのは,江戸への藩米輸送の途次のことであった。第2次大戦中,町村の集合体が市となった背景には,海軍航空基地,海軍工厰,陸軍飛行場などを設置した軍の要請があった。戦後,広大な軍事施設跡地へ工場の誘致が図られ,紡績,本田技研を中核とする輸送用機械,電機,一般機械などの工場が相ついで立地したため,県下では四日市に次ぐ工業都市となり,人口も津市を抜いて県下第2位となった。西部丘陵地のレジャーランド鈴鹿サーキットは日本で最初の国際自動車レース場である。紀州藩の保護のもとに発達した白子の伊勢型紙の技術は国の重要無形文化財である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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