精選版 日本国語大辞典 「鈴ケ森」の意味・読み・例文・類語
すず‐が‐もり【鈴ケ森】
※東海道名所図会(1797)六「鈴杜八幡宮(すずがもりはちまんぐう) 鈴森(スズガモリ)にあり」
[二] 江戸時代、武蔵国荏原郡の東海道筋の鈴ケ森に置かれていた刑場の呼称。慶安四年(一六五一)に設けられ、明治維新後に廃止された。丸橋忠彌や八百屋お七などがはりつけや火刑に処された刑場として知られる。鈴の森。
[三] 歌舞伎脚本。一幕。浄瑠璃「驪山比翼塚(めぐろひよくづか)」に初めて現われ、四世鶴屋南北作の歌舞伎劇「霊験曾我籬(れいげんそがのかみがき)」を経て「浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)」に至って確立した鈴ケ森の場を独立させた作品。浪人白井権八が大勢の雲助との立ち回りの後、来かかった幡随院長兵衛と出会う場面。
[四] 浄瑠璃「恋娘昔八丈(こいむすめむかしはちじょう)」五段目の通称。黄八丈姿の城木屋お駒が、夫殺しの罪で馬上で引き回され、処刑寸前に救われる。
[五] 新内節「恋娘昔八丈」の一段。お駒が引回しののち、鈴ケ森の刑場で群集に向かって身の上を語る部分。
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