釧路(支庁)(読み)くしろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「釧路(支庁)」の意味・わかりやすい解説

釧路(支庁)
くしろ

北海道東部、太平洋岸一帯の町村を所管した北海道庁の出先機関。2010年(平成22)、支庁制度改革によって釧路総合振興局改称・改組された。旧釧路支庁の所管区域は釧路、厚岸(あっけし)、浜中(はまなか)、標茶(しべちゃ)、弟子屈(てしかが)、白糠(しらぬか)の6町と鶴居(つるい)村で、支庁所在地は釧路市。原則として市域は所管外であるが、釧路市を含む地域を意味する場合もあり、また実務上も同市を含めて管内とされることが多かった。

 地形は北部が雄阿寒(おあかん)岳(1370メートル)、カムイヌプリ(857メートル)のある火山地域。南部は釧路川以東が根釧(こんせん)台地以西が十勝(とかち)支庁(現、十勝総合振興局)に接する国境山地、鶴居・白糠丘陵釧路平野からなり、釧路、阿寒、茶路(ちゃろ)などの河川はいずれも南流する。釧路平野の約80%は釧路湿原とよばれる低湿な泥炭地である。海岸は江戸時代にサケ、マス、コンブなどの漁業で開け、内陸は明治以後畑作、畜産、林業鉱業石炭、硫黄(いおう))で開けた。現在は酪農、林業、水産業(サケ・マス、サンマ、コンブ)が基幹産業。工業発達食品水産加工品、乳製品、飲料など)、木材や木製品(製材、合板)などの軽工業がほとんどである。国道38号、44号、240号、272号、391号やJR根室(ねむろ)本線、釧網(せんもう)本線が、支庁所在地の釧路市と各町村の中心地区を結ぶ。

[古川史郎]


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