釣出・吊出(読み)つりだす

精選版 日本国語大辞典 「釣出・吊出」の意味・読み・例文・類語

つり‐だ・す【釣出・吊出】

〘他サ五(四)〙
① 物を糸や綱で引っかけ、つり上げて出す。
② だましてさそい出す。おびき出す。
※京大本湯山聯句鈔(1504)「六色の書を作て弓矢をとらうずやうをしたぞ。さうして周をつり出すぞ」
③ こちらの思うように、相手を動かす。話などをするようにしむける。
※黒い眼と茶色の目(1914)〈徳富蘆花〉五「妾の顔見るたび色々の事を尋ね、何角(なにか)とつり出(ダ)さんと致し」
④ つり始める。
相撲で、相手をつり上げて土俵の外へ出す。
※相撲講話(1919)〈日本青年教育会〉常陸、梅の爛熟時代「常陸は、例の強引に荒を二三尺も高々と吊上げて、土俵の外へ吊出(ツリダ)して、豪傑ぶりを発揮した」

つり‐だし【釣出・吊出】

〘名〙
① 物を糸や綱で引っかけ、つり上げて出すこと。また、そのもの。
※歌舞伎・木間星箱根鹿笛(1880)序幕「入口破風(はふ)屋根、是へ瓦斯釣出(ツリダ)し」
② だましてさそい出すこと。おびき出すこと。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「折角内に仕事をして居る者をば、釣出(ツリダ)しに来て」
③ 相撲のきまり手の一つ。両手で相手のまわしを引き、腰を落として相手をつり上げ土俵外に運び出す技。〔相撲講話(1919)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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