釜鳴り(読み)カマナリ

デジタル大辞泉 「釜鳴り」の意味・読み・例文・類語

かま‐なり【釜鳴り】

釜で湯を沸かしたり、飯を炊いたりするとき、釜がうなるように鳴ること。また、その音。昔は、これで吉凶を占った。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「釜鳴り」の意味・わかりやすい解説

釜鳴り
かまなり

飯を炊いたり湯を沸かしたりするとき、釜が振動して鳴っているような音を出すこと。これをなにか不思議なできごとの前兆と考える風が広く、多く凶事前触れとしている。女の湯巻腰巻)をかぶせると鳴り止むともいい、あるいは麻裃(あさかみしも)の肩衣(かたぎぬ)を釜にかぶせて鳴りやんだという話もある。もともと物理的な現象であるが、のちに起こったできごとを関連づけて考えるのは、予兆一般のことである。

[井之口章次]

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