金銀複本位制度(読み)きんぎんふくほんいせいど

精選版 日本国語大辞典 「金銀複本位制度」の意味・読み・例文・類語

きんぎん‐ふくほんいせいど ‥フクホンヰセイド【金銀複本位制度】

〘名〙 金貨および銀貨本位貨幣とする貨幣制度

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デジタル大辞泉 「金銀複本位制度」の意味・読み・例文・類語

きんぎん‐ふくほんいせいど〔‐フクホンヰセイド〕【金銀複本位制度】

金貨と銀貨を本位貨幣とし、両者比価を公定し、他の貨幣補助貨幣とする制度両本位制度

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百科事典マイペディア 「金銀複本位制度」の意味・わかりやすい解説

金銀複本位制度【きんぎんふくほんいせいど】

金と銀の双方本位貨幣とする貨幣制度。複本位制度,両本位制度ともいう。金と銀とが鋳貨として流通し,金と銀との比価は法定されるが,金銀市場価格法定比価との分離は避けられないので,維持は困難である。金の不足に対処する便法として19世紀後半にフランス米国日本(1878年―1897年)等で行われた。→跛行(はこう)本位制
→関連項目金打歩政策銀本位制度単本位制度本位制度

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金銀複本位制度」の意味・わかりやすい解説

金銀複本位制度
きんぎんふくほんいせいど
bimetallic standard system

金銀2種の金属本位貨幣として流通させる貨幣制度で,単に複本位制度ともいう。金と銀の比価をどのように定めるかによって,両本位制度と併行本位制度とがある。前者は金銀間に法定比価を定めたもの,後者は金銀間の市場比価によるものである。

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世界大百科事典(旧版)内の金銀複本位制度の言及

【銀】より

…しかも両者の生産条件,生産量,需給事情は等しくないから実際問題として市場比価は一定しない。金銀複本位制度は法律をもって両者の一定比価での自由兌換(だかん)を認め,これによって市場比価を公定比価に一致させようとした制度で,19世紀の後半までは多数諸国が複本位制を採用することによって金銀比価はほぼ一定に維持され,銀はたんなる補助貨幣としてでなく,本位貨幣の地位を維持しえたのである。 しかしこのころより銀産出高の増加は著しく,かつ1873年ドイツの金本位制度採用以後,銀価の低落はさらに顕著となり,複本位制の維持がいよいよ困難となるや,銀本位制の維持を利益とする諸国,および銀本位制の廃止によって致命的打撃を受けるアメリカの銀産業者などの銀本位制擁護運動は激しくなった。…

【銀本位制度】より

… 銀のみが本位貨幣となっている銀単本位制度の例は,歴史的にみてそれほど多くない。しかし,法制的には銀貨と金貨とがともに本位貨幣となる金銀複本位制度でありながら,事実上銀貨のみが流通し銀本位制度となんら異ならない場合が少なからずみられる。19世紀のヨーロッパ大陸諸国の多くは,金銀複本位制を採っていたが,銀の市場価格が下落を続けて法定比価との間に開きができ,金の流出と銀の流入が生じて,銀貨のみが流通し,事実上銀本位制となった。…

【複本位制度】より

…異なった金属を素材とする本位貨幣が併存し,それらの間の比価(交換比率)を法定するものをいうが,その通常の形態は金銀複本位制度である。本位貨幣が単一の金属のものを単本位制度という。…

※「金銀複本位制度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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