金郷八幡宮(読み)こんごうはちまんぐう

日本歴史地名大系 「金郷八幡宮」の解説

金郷八幡宮
こんごうはちまんぐう

[現在地名]美和町大字渋前

渋前しぶくまの中心にあり、祭神は応神天皇・仲哀天皇・神功皇后。旧村社。

口碑によれば貞観一二年(八七〇)に藤原久永・松田采女が豊前国宇佐うさ八幡宮(現大分県宇佐市)勧請、村内秋綱あきつなに祀ったという。「玖珂郡志」は神体は一子相伝の秘事と記し、「秘事神体二座厨子入、応神天皇尊、衣冠装束、御長八寸、息長足姫命、御長八寸」とする。また社伝として同書に「往昔、康応元巳四月十一日、当国遠石八幡宮ヲ勧請、山ノ名金剛山ト云、文禄四年乙未菊月九日再興、三ケ村ノ産生神也、其後元禄七戌八月再興、社領一石神田六畝、祭日八月十五日、九月九日、宝永ヨリ神幸、里談ニ、毎正月十五日、大般若転読、善福寺東林寺也、是レ神宮寺アリシ時ノ遺風也、郷俗正月御紐解ト云、一ノ鳥居アリ、鳥居ノ傍ニ寺畑トテ有リ、康応ノ勧請モ沙弥観註トアリ」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報