金融商品取引所(読み)キンユウショウヒントリヒキジョ(英語表記)financial products exchange

デジタル大辞泉 「金融商品取引所」の意味・読み・例文・類語

きんゆうしょうひん‐とりひきじょ〔キンユウシヤウヒン‐〕【金融商品取引所】

金融商品取引法に基づき、有価証券売買取引を行うのに必要な市場を開設することを目的として設立された組織。平成19年(2007)証券取引法の改正施行に伴って法律上の名称証券取引所から現名に改称されたが、各取引所従来の名称を使用することができる。取引は金融商品取引所の承認を受けた金融商品取引業者(会員組織の取引所は会員会社)だけができる。東京(東証)・大阪大証)・名古屋名証)・ジャスダックJASDAQ)・札幌札証)・福岡福証)の六つがあり、前4者が株式会社で後2者は証券会員制法人。かつては、京都・神戸広島新潟にも置かれていた。海外では、ニューヨークロンドンフランクフルトにある取引所の取引高が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金融商品取引所」の意味・わかりやすい解説

金融商品取引所
きんゆうしょうひんとりひきじょ
financial products exchange

金融商品取引法(2007年改正)に基づき、内閣総理大臣免許を受けて開設される、金融商品会員制法人または株式会社の組織をとった取引所。金融商品とは、株式、社債国債、投資信託受益証券、外貨預金抵当証券、変額年金保険等をいう。これらに関する取引については、従来、証券取引法、銀行法、保険業法、金融先物(さきもの)取引法のような複数の法律で定められていたが、それらを整理・統合して横断的に規定するようにしたのが金融商品取引法である。

 金融商品取引所の事業内容は、金融商品の売買やデリバティブ取引を行う現物・先物市場の開設と運営、成立した取引の清算業務である。金融商品取引法制定以前は、会員制組織の取引所のみであったが、この法律により新たに株式会社組織の取引所が可能になった。ただし株式会社組織の場合には株主規制があり、原則として総株主の議決権の20%以上を特定者が保有することはできない。金融商品取引所の実際の名称は、従来どおり「証券取引所」または「金融先物取引所」を使用することができる。証券取引所は、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の5か所であるが、これらのうち前三者は株式会社、そのほかは証券会員制法人である。先物取引専門の東京金融先物取引所は、2007年(平成19)9月に株式会社東京金融取引所に商号を変更した。

 金融商品取引所は、公正な金融取引市場を維持し、投資家を保護するために、自主規制業務を行わなければならないとされている(金融商品取引法84条)。そのため、たとえば東京証券取引所では、「株式会社東京証券取引所グループ」の下に、取引所を経営する「株式会社東京証券取引所」と、自主規制を行う「東京証券取引所自主規制法人」を並置している。

[森本三男]

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投資信託の用語集 「金融商品取引所」の解説

金融商品取引所


証券取引所や金融先物取引所の法律上の呼称。金融商品取引法の施行により、「証券取引所」や「金融先物取引所」を総称して、「金融商品取引所」と法律上呼ぶことにした。ただし、「証券取引所」という名称を引き続き使用することは可能である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金融商品取引所」の意味・わかりやすい解説

金融商品取引所
きんゆうしょうひんとりひきじょ

証券取引所」のページをご覧ください。

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