金石（読み）きんせき

精選版 日本国語大辞典

きん‐せき【金石】

〘名〙

① 金属と岩石。鉱物。きわめて堅いことのたとえに用いられる。

※経国集（827）一四・奉試得治荊璞〈紀虎継〉「氷霜還謝_レ潔、金石豈斉_レ堅」

※浮世草子・けいせい伝受紙子（1710）一「大勢の牢人(らうにん)義を守(まもる)心は金石(キンセキ)」 〔管子‐揆度〕

② 金属器と石器。金または石で作った鐘や磬(けい)などの楽器。転じて楽器。

※本朝文粋（1060頃）一一・鶴鳴九皐詩序〈藤原雅材〉「金石連_レ音。誰俟_二霊光之壁_一」

※神皇正統記（1339‐43）中「金石(キンセキ)糸竹の楽は四学の一にて、もはら政をする本也」 〔礼記‐楽記〕

③ 事跡、略伝などを後世に伝えるために彫刻する金材や石材。

※随筆・山中人饒舌（1813）下「収蔵法書名画金石彝鼎。及夷蛮所_レ出異品奇物。充_二積棟宇_一」 〔呂氏春秋‐求人〕

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

きん‐せき【金石】

１ 金属と石。鉱物。また、金属器と石器。
２ きわめて堅く、永久不変なもののたとえ。

出典　小学館

普及版 字通

【金石】きんせき

鐘磬などの楽器。また、堅固にして、永久にその功を勒すべきもの。〔史記、秦始皇紀〕今皇、をせ一にす。～群臣相ひ與(とも)に皇の功を誦し、金石にして、以て表經と爲さん。

字通「金」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

日本大百科全書(ニッポニカ)

金石
かないわ

石川県金沢市北西部の一地区。旧金石町。日本海に注ぐ犀(さい)川の河口にある。江戸時代は宮腰(みやのこし)といい、隣接の大野と港町として競合し、加賀藩命で合併、「金石之交(きんせきのまじわり)」にちなんで金石と称した。海商銭屋五兵衛(ぜにやごへえ)の根拠地でもあった。現在、港は金沢新港の一部となり、この地区は住宅地として発展している。

［矢ヶ崎孝雄］

[参照項目] | 金沢（市） | 銭屋五兵衛

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

金石
かないわ

石川県中央部，金沢市の犀川河口にある地区。旧町名。金沢の外港として発展してきたが，北陸本線の開通後金沢新港の一部となり，製材業が行われる。宅地化が著しく，金沢市内への通勤者が多い。銭屋五兵衛の出身地。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内の金石の言及

【犀川】より

…金沢市南部の山地から北西流して市街地を貫流し金石（かないわ）で日本海に注ぐ川。全長34km，流域面積256km2。…

【宮腰】より

…加賀国(石川県)金沢城下町から海岸へ4km，犀川（さいがわ）河口に位置する外港。現金沢市金石（かないわ）。石川郡大野荘に属する中世以来の湊として知られる。…

※「金石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」