金正米吉(読み)かねまさよねきち

改訂新版 世界大百科事典 「金正米吉」の意味・わかりやすい解説

金正米吉 (かねまさよねきち)
生没年:1892-1963(明治25-昭和38)

労働運動家。佐賀県生れ。小学校卒業後,炭鉱の機関火夫として各地で働く。その後大阪に移り,1917年友愛会大阪連合会に入会。25年の日本労働総同盟の第1次分裂に際しては,大阪連合会の幹部として左派排除に奔走し,以後松岡駒吉らとともに一貫して右派社会民主主義の立場をとりつづけた。この間30年,大阪連合会会長就任敗戦と同時に西尾末広らと大阪地方の労働運動再建の呼びかけを発表。46年,日本労働組合総同盟(総同盟)の設立に際し副会長に就任,後に松岡駒吉のあとを継いで会長(1952-59)。国家公安委員(1948-63)も務めた。また日本生産性本部の生産性向上運動に総同盟として参加することを推し進めた。労働者出身の経験的現実主義者であり,日本的労働組合主義を体現した典型の一人であった。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「金正米吉」の解説

金正米吉 かねまさ-よねきち

1892-1963 大正-昭和時代の労働運動家。
明治25年12月8日生まれ。大正6年友愛会大阪連合会にはいり,11年大阪合同労働組合を創立。西尾末広らとともに右派指導者として活躍戦後は日本労働組合総同盟副会長をへて,昭和27年会長に就任。23年から国家公安委員もつとめた。昭和38年11月28日死去。70歳。佐賀県出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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