精選版 日本国語大辞典 「金柑」の意味・読み・例文・類語
きん‐かん【金柑】
〘名〙
① ミカン科の常緑小低木。中国原産で、古く渡来し果樹として暖地で栽植されるほか、観賞用として庭木にしたり盆栽にする。幹は高さ三メートルほどで、枝は細くて密生し刺(とげ)はなく、小さな長楕円形の葉を互生する。夏、葉腋(ようえき)に芳香のある白色の五弁花を数個つける。果実はふつう直径約二センチメートルの楕円形で橙黄(とうおう)色に熟す。果肉は酸味が強いが果皮は甘く、室数が少ない。生食したり砂糖づけや缶詰(かんづめ)にしたりする。似た種類がいくつかあり、最も古く伝わったのがマルミキンカンで、ナガミキンカンは江戸に入ってからという。漢名、金橘。ながきんかん。ひめたちばな。《季・秋》
▼きんかんの花《季・夏》
※異制庭訓往来(14C中)「金柑柑子温州橘」
② スッポンの卵。
※さけさかなむりもんだふ(1830‐44頃)「やり過ごすと出すを八百屋店(みせ)とはいかに、すっぽんは果物(なりもの)ならねどきんかんといふがごとし」
③ 「きんかんあたま(金柑頭)」の略。
※咄本・百物語(1659)上「あたまのきんかんなる人を見て」
きん‐か【金柑】
〘名〙
① 「きんかん(金柑)①」の略。
② 「きんかあたま(金柑頭)」の略。〔日葡辞書(1603‐04)〕
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