日本大百科全書(ニッポニカ) 「野田(村)」の意味・わかりやすい解説
野田(村)
のだ
岩手県北東部、九戸郡(くのへぐん)の村。太平洋陸中海岸に面し、海岸沿いを三陸鉄道リアス線、国道45号が走る。海霧の影響で農業は不振であったが、近年、養豚が盛んになり野田豚として出荷している。野田港はホタテ、サケの水揚げが主力。また、野田玉川鉱山は小規模ながら高品位のマンガンを産出したが閉山し、現在は観光施設「マリンローズパーク野田玉川」として旧坑道の一部を公開。2011年(平成23)の東日本大震災では15メートルを超える津波に襲われ、被害は死者39人、住家全壊311棟・半壊168棟に及んだ(消防庁災害対策本部「平成23年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について(第159報)」平成31年3月8日)。砂浜の十府(とふ)ヶ浦、えぼし岩など奇石の多い玉川海岸、西行(さいぎょう)が草庵(そうあん)を結んだという西行屋敷跡などがある。海岸一帯は三陸復興国立公園(旧、陸中海岸国立公園)域。面積80.80平方キロメートル(一部境界未定)、人口3936(2020)。
[川本忠平]
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